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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

マラソン

ある作家の少し長めの随筆を読みました。

面白い話が載っていましたのでご披露します。
この随筆は400字詰め原稿用紙20枚程度あります。かいつまんで転載しす。

お節介ですが、わざわざこの一文のために文庫本といえども買い求めるのも煩わしいでしょうから。。。。。

この著者はほぼ毎日ランニングをし、時折、フルマラソンにも出場するといいます。
著者が、マラソンなどに”出場する立場から”日本とアメリカのマラソン(5,10キロレースを含む)を比較しています。
時代は少し古く、1991年から約2年半にわたってニュージャージー州プリンストンに住んだころの話なのでこの辺をご理解のうえ読んでいただきたい。
多少、表現が原文と異なる箇所がありますが、著者の趣旨には副ったつもりです。





日本で走ることと外国で(たとえばアメリカで)走ることとのあいだに何か違いのようなものがあるのかと聞かれたら、これはやはり「ある」と答えるしかないと思う。
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たとえばあなたがアマチュア・ランナーであるとする。そしていつも一人で近所を走って
いるのも退屈だから、10キロ程度のレースに椀試しに出場してみようかなと思ったとする。
レースの参加料は日本ではだいたい2000円から3000円くらい、アメリカでは10ドルから15ドルくらいである。どちらも多くの場合飲み物と軽食が出て、Tシャツがおみやげとしてついている

・・・・・・
問題の一つは「参加申込の締め切り期日」である。アメリカの場合、その程度のアマチュア・レースなら原則的に締切り期日というのは存在しない。当日その場で飛び込み参加も可というレースが大半である。飛び込みの場合参加料は普通より3~5ドル高くなるし、事情によってはTシャツがもらえない。
(とにかく走りたいんだ、という人は)レースが始まる15分前にスタート地点に行って、その場で参加料を払えばOKである。実に簡単だ。
朝目が覚めて「さあ、今日は走るぞ」と思ったら、そのまますぐ走れる。

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でも、日本ではそうはいかない。
多少のばらつきはあるが、だいたい1ヶ月前には参加申込が締め切られる。当日参加なんてまずありえない。どうして締め切りにこだわるのかというと、(多分そうだろうと著者が考えるのだが)「選手名簿」というものが作成されなくてはならないからである。
たかが5,10キロの草レースでわざわざ名簿までも作ることはなかろうにと僕なんか思うのだけれど、日本のレース主催者は几帳面にこれを作るのだ。
どうしてそんな面倒な手間をかけて名簿を作らなければならないのか、その理由が僕にはわからない。

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それから選手名簿についてもう一つ僕がうんざりするのは、そこに必ず「所属団体名」が明記されることである。
僕のように「所属なし」というカテゴリーに属する人はあまりいないのである。
そのたびに「ああ、僕は結局この世界のどこにも何にも属していないんだな」とあらためて実感することになる。

著者は(晴れた気持ちの良い日曜日にいちいち実感させて欲しくない)といいたいようだ。

もっともボストン・マラソンやニューヨーク・シティ・マラソンのようなビックレースになれば、名簿はちゃんとある。ただし、「所属団体」という項目は無い。そもそもそんな発想が無いのだ。長距離レースというのは基本的には個人が個人の資格で走るものであり、その個人がどのような団体に属していようが、どこに勤務していようが、そんなことはまるで関係ないのだ。

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日本とアメリカのレースでもうひとつ大きな違いは、「開会式のあるなし」だ。ボストン・マラソンやニューヨーク・シティ・マラソンでもいわゆる開会式というようなものはやらない。
ところが日本のレースでは必ずセレモニーがある。大会委員長から始まって、お偉いさんの挨拶がある。だいたいが紋切り型な退屈な挨拶である。そんなもの誰も聞いていない。こういうのにつきあわされていると、日本のレースの主催者は、ランナーのことなんか殆ど何も考えていないんだなと痛感することになる。交通整理や給水の世話などしておられる係員の方々にはいつも深く感謝しているわけだけれど、それとは別に、主催者側の上の方の人たちの頭の中にあるのは、多くの場合「かたちをこしらえる」あるいは、「体裁を整える」ということだけなんじゃないかと思うことが多い。
どうすればランナーに少しでも走りやすい環境を提供できるのか、という本来まず最初にあるべき基本的な発想が希薄なのだ。

日本のレースでスタート3時間も前に無意味に駆り出されたことがある。一般ランナーの身にもなってものを考えて欲しいと思う。いったい何のためのレースなのか。誰のためのレースなのか。


別にアメリカの肩を持つわけではないが、一人のランナーとして正直な感想を言わせていただけるなら、ランニング事情に関していえば日本はアメリカに比べてやはり遅れているんじゃないかと思う。
アメリカのレースを走っていて僕がいつも感じるのは「手作り」「草の根」の味わいのようなものである。
もちろん日本にそういう小さくて気持ちの良い大会がないわけではない。これは楽しいから毎年出たいという国内レースもいくつかあることはある。例外的ではあるが。


日本の場合どうしても「役所」が音頭をとって大会開催する場合が多い。さらに観光業者とタイアップして開催するレースには結構問題があるものが多い。
・・・そこに託した気持ちのようなもの(まあもともとそんなものないのかもしれないけれど)がきちんと伝わってこない。


最後に、ホノルル・マラソンについて触れ・・・
(当時で)1万人もの日本人が参加したという。日本人が半分以上を占めている。
・・・・
結局、日本のマラソン大会はつまらないと思っているんじゃないのか。どうでしょう。

・・・と結んでいる。

随筆集「やがて哀しき外国語」 ( 村上春樹 講談社 ) の中の「アメリカで走ること、日本で走ること」よりf0020352_9122334.jpg

私は長距離を走るという運動には縁が無い人生を送ってきた。
だから著者の言っていることが(当時として)正しいのか、現在は様子が異なっているのか分からない。
恐らく多くの関係者の方々には反論もあることとであろう。
身近な大会で「北海道マラソン」がある。そのHPを眺めるとこんな具合であった。その良し悪しの判断は皆さんにお任せしよう。

今年から、制限時間を4時間から5時間に延長し、参加者も5千人から8千人規模に拡大した。
4月22日受付開始。5月17日定員に達し受け付けを締め切った。

開会式をやるのか、
名簿を作るのか、
所属団体を申告しなければならないのか、
集合時間はスタートの何時間前なのか・・・

2009北海道マラソン大会要項発表
(4月22日から参加者募集) 
 北海道陸上競技協会、北海道新聞社、北海道などで構成される2009北海道マラソン組織委員会は2009年8月30日開催の北海道マラソンの大会要項を発表しました。
 参加資格は、19歳以上の男女で、2007年1月1日以降にフルマラソン5時間以内、またはハーフマラソン2時間20分以内の完走記録を持つランナー。10キロ、一万メートルでは、男子31分以内、女子38分以内の公認記録が必要です。
 当日は札幌市中島公園東側を午後0時10分にスタート。参加料は8000円。定員は8000人(先着順)です。詳細は大会事務局ホームページhttp://www.hokkaido-marathon.com/をご覧ください。

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by m-morio | 2009-06-10 09:21 | | Comments(0)