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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

受け売り 現代史  核の諸問題 9

原子力発電・・・その2

 前回、「もんじゅ」に触れた。23日の報道によると、地元との話し合いに手間取っている。
地元の知事は「担当大臣が挨拶に来てから判断する」・・・という。副大臣ではダメらしい。
今年度中の再開は難しくなっている。

◇プルサーマル
「核燃料サイクル」は、最終的には取り出したプルトニウムを高速増殖炉で繰り返し使うことを目指しているが、高速増殖炉ではなく、一般の原発にウランとともに使う方式を 「プルサーマル」 と呼んでいる。
プルサーマルも高速増殖炉と並んで核燃料サイクルのかなめとされていて、既に九州電力の玄海原発に続いて伊方原発でも実施されている。



なぜ、今 プルサーマルをやるのか。

1 プルトニウムが溜まっている 
 日本は過去にイギリスとフランスの再処理工場で使用済み核燃料を処理したほか、青森県六ヶ所村の再処理工場でも試運転を行っている。
現段階で日本が所有するプルトニウムは25㌧と言われる。膨大な量である。
数キロあれば核兵器が作れるといわれるプルトニウムについては、日本は余剰を持たないことを国際的に公約している。
従って、国際社会に大量のプルトニウムを保有している理由や使い道を早急に示す必要がある。
そこで実用化には時間がかかる高速増殖炉に変わってプルサーマルが登場してきた。
現在ある技術のうち核不拡散上でも問題なくプルトニウムを消費できるのはプルサーマルしかないという事情がある。

2 溜まり続ける使用済み核燃料対策
 全国の原発の使用済み核燃料は、現在試運転段階の青森県六ヶ所村注)の再処理工場に運び込まれている。
しかし、青森県は、再処理工場がそのまま核のゴミ捨て場になることを恐れて、プルトニウムを使う原発が無く、再処理する必要が無い場合は、一旦運び込んだ使用済み核燃料を県外に運び出すことを求めている。

注)六ヶ所村に「核燃料サイクル施設」があり、その中には、「再処理工場」「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」「ウラン濃縮工場」「低レベル放射性廃棄物埋設センター」がある。
全国の原発から出る「使用済み核燃料」は、再処理工場の中の使用済み核燃料貯蔵センターに送られる事になっている。「再処理」というが、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す施設である。f0020352_14135179.jpg

使用済み核燃料は全国で毎年1000㌧発生してする。
各原発のプール能力に限りがあり、再処理工場に運び出せなくなって満杯になると燃料の交換ができず、運転停止に追い込まれる。
こうした事態を避けるためにも電力業界としてはなるべく早くプルサーマルを軌道に乗せる必要に迫られている。
結局、プルトニウムを使いたいから再処理するというよりは、
溜まる使用済み核燃料対策として再処理が行われ、結果としてプルサーマルをやらざるを得ない
という意味合いが強い。

問題なのは、再処理工場も運転が止まっていること。
1年以上とまった状態で、再処理が進まないためプールも満杯に近づいている。
その結果、使用済み核燃料は各原発に、合わせておよそ1万3千㌧も滞留中と言われていて、深刻な問題となっている。

そこで各電力会社は、別の場所に貯蔵施設を作る計画を進めている。
東京電力は青森県むつ市に予定はしているが、完成は早くて2年後。
他の電力会社も検討はしているが、安全性に対する不安や反対もあって地元の理解を得るのが難しく、多くは見通しが立っていない。

しかし、
そもそも六ヶ所村の再処理工場がフル操業しても処理できるのは年間800㌧程度。
(毎年発生する)1000㌧すべてを処理できないのだ。
いずれ貯蔵施設が必要なことは分かっていたわけで、使用済み核燃料問題を先送りしてきたツケが回ってきている。

核燃料サイクルを完成させるためには、これらのほかにも課題はある。

・高速増殖炉で繰り返しプルトニウムを使うには、高速増殖炉で燃やした核燃料を再処理する「工場」が新たに必要である。
何処に作るかなど議論はこれからだという。

・そして再処理の過程では放射能レベルが極めて高い廃棄物が出る。地下数百㍍に埋めて処分することにはなっているが、場所のあてはまだない。

◇泊原発
身近にも原発が存在する。北海道電力の泊原発である。
現在1~3号機が稼動中。
使用済み核燃料を再利用する3号機のプルサーマル計画の受け入れを道が決定。
地元4町村(泊、共和、岩内、神恵内)も住民との意見交換や議会議論を経て、計画の受け入れを決定した。

勿論、すんなりと事が運んだわけではない。安全性を疑問視する市民団体などの反発もあり、地元との協議も難航を極めた。
現在、プルサーマル発電の許可を得る手続を進める一方、フランスのMOX製造会社との協議を行っているが、先方の受注状況などから「相応の時間がかかる」とのことで、早くても12年春実施見通しとのことである。

◇発電の将来は?
さてさて・・
いろいろ多方面に手を広げてしまいました。
結局、最後は「原発は必要なのですか?」という課題に戻ってしまう。。

前回、原発の「高齢化」に触れた。
日経(10.03.15)の記事から遅れること1週間。10.03.22付の道新に「原発の高齢化」と題した社説が載った。
・設備の劣化に潜む危険性を専門家が指摘している
・経済性を重視するばかりに、安全性が脅かされてはならない。国や電力会社は安全対策を練り直せ。
・敦賀の地元には、なし崩し的に運転期間が延長されて、原発が固定化されることへの懸念もある
・延命の先には、さらに廃炉の問題も控えている。放射能に汚染された原子炉や関連施設の解体、処分には巨額な費用がかかる。解体に伴って発生する放射性廃棄物を、どこにどう処分するかという課題もある。
・国は、温暖化対策の観点から原発を増設する方針だ。事故の心配もある。このまま原発への依存を深めていっていいのか。
・自然エネルギーの一層の技術開発や普及を推し進めたい。
・・と結んでいる。
もっともな意見なのだろう。

でも、いろいろ指摘するのは簡単。
では、具体的な対策は・・・というと現実的には難題。
技術の向上を目指せ、異常が起きたら速やかに情報を公開せよ、日常の管理・点検をしっかりせよ
・・などという意見はよくわかる。努力すればできることであろう。

しかし、現実を直視したときに

・プルトニウムの再処理工場が稼動していない。外国にばかり頼れない。そのため国内にプルトニウムが異常に滞留している。核燃料サイクルやプルサーマルの導入も進みつつあるがそのスピード遅い。

・放射性廃棄物の埋立地も見つからない。日本中どこの都道府県でも毛嫌いする。果たして手を挙げる所が出てくるのか。

・廃炉の指摘もある。解体にともなう諸問題である。


このような記事を読むにつけ、原発促進、原発の老朽化、代替施設の建設、廃棄物の処理問題などなどを考えるとき、先々のこと(後始末のこと)も踏まえたしっかりとしたロードマップの構築を望みたい。

さて、原発に頼るだけでなく、代替エネルギーとして自然エネルギーの利用促進も話題に上る。
何があるのか。・風力・太陽光・波力・潮力である。
しかし、実用化にはまだまだ研究が重ねられる必要があるという。
例えば、風力発電は日本でも徐々に普及している。(施設は、1517基ほどあるらしい)
ところが、最近、風力発電から発生する「低周波音」が人の健康に悪影響を及ぼしているのではないかとの疑問が起こっている。「耳鳴りがする」「夜眠れない」といった苦情が自治体に寄せられていて、環境省は調査に乗り出すらしい。

・・・・・・・・・・・

 そもそも、原子力発電と原子爆弾はどちらも「核分裂連鎖反応むという同じ現象を基にしてなりたっていることを学んだ。
原子力発電は「原子力の平和利用」の一環として開発されてきたものだが、原子爆弾は「無差別大量殺戮兵器」である。
しかし、その基本原理においては、両者の区別はつかない。
周知のように、原子力発電ではその運転中にプルトニウムという物質を生成する。
このプルトニウムも、さらに原子力発電や原子爆弾の材料となる。

要は、原子力発電から原子爆弾の材料を生成できるのである。
原発を持っている国は、核兵器を作る能力があるということなのだ。
こうした観点からすると、世の中から核兵器が消え去ることなど無いのかもしれない。

「核の問題」は20世紀から21世紀に持ち越され、問題はますます深刻化していくばかりである。

 エネルギー資源の乏しい日本の電力需要は、年々増加している。
需要の7割を賄っている水力発電や火力発電にはそれぞれ問題をかかえている。

この現実を考えると、むやみに「原発反対」だけでは問題の解決にはならない。
過去に原発の事故はあった。マイナス面ばかりでなくプラス面もあることを考えねばならない。


う~ん・・・
話は堂々巡りになりかけている。

浅学な私が独自の対策を述べられるわけがない。

でも考えることだけはできる。

それが正しいのか否かはともかくとして。。。。
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by m-morio | 2010-03-23 14:23 | 市民カレッジ | Comments(0)