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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

受け売り 現代史  アラビア半島 その1

「午前10時の映画祭」という企画で、今年の2月から50の作品を1年間かけて上映しています。
1000円で観れます。
懐かしい作品が続々登場しています。
今後の予定の一部は・・・・
レインマン、北北西に進路をとれ、明日に向かって撃て、追憶、チャップリンの独裁者、アパートの鍵貸します、ショウほど素敵な商売はない、ロミオとジュリエット、ローマの休日、エデンの東、ウエストサイド物語、雨に唄えば など

数本 観ました。 
古い作品ばかりです。 私が高校生のころのものが多いのですから半世紀近くも前ですね。
「第三の男」「ベン・ハー」そして「アラビアのロレンス」(昨日)です。

「アラビアのロレンス」は是非観たいと思っていましたところ、たまたま1日から始まった夏の現代史講座が「アラビア半島」諸国(サウジアラビアを中心に)を取り上げましたので、真にタイミングが良かった。

この「アラビアのロレンス」は、実在人物がモデルになっていますので、現代史の講座では時々登場して話題になります。

▽少しだけそのあらすじを残しておきましょう。f0020352_1511595.jpg

ロレンスは、第一次世界大戦が始まるとイギリス情報将校としてカイロに派遣される。
そこで、 (情勢把握が目的であったにもかかわらず)イギリスと敵対するドイツ側(中央同盟国)に参戦したオスマン帝国(トルコ)の後方撹乱作戦に従事する。
本国政府がアラブ人に独立国家の建設を約束した(フセイン・マクマホン協定)ことを知ると、メッカの大首長フセインの子ファイサルと手を組み、自らアラブ人に扮してアラブ人ゲリラ隊を編成し、アカバ、ダマスカスを占領した。(「アラブの反乱」として知られる)
しかし、イギリス政府の相互に矛盾する多重外交に失望し、職を辞した。
アラブ人と共に戦ったロレンスの純粋な意思は、醜い政治の壁に押しつぶされる結果となった。

ロレンスは、イギリス政府のアラブへの裏切りや、なかなか纏まらないアラブ諸民族に辟易して、最終的にはアラブ地域から去る。
そして「失意」の中で、バイク事故で命を落とす、というのが、その「英雄」伝の骨子。

荒っぽく書くとこんな内容です。

ロレンスは、あくまでも「個人の善意」で行動した。
イギリス政府の目からみると異端児的存在で、彼の行動を抑えることができなかった・・・。
しかし、彼はあくまでもイギリス陸軍の情報部員というのが公式な立場。
「個人の善意」であろうとも、アラブ人にとっては、イギリスの対中東支配の「手先」だった。

上映時間4時間は少々長いです。
さらに、多少の歴史的背景を承知して鑑賞しなければ部分的には理解しにくい部分があるでしょう。

▽ではなぜこの映画「アラビアのロレンス」が現代史のなかでたびたび話題になるのでしょうか。

第一次世界大戦は、ドイツ、オーストリア、オスマン帝国、ブルガリアからなる「中央同盟国」 と イギリス、フランス、ロシアを中心とする「連合国」の二つの陣営に分かれた戦いで、後に日本、イタリア、アメリカ合衆国も連合国側に立って参戦した。
戦場は、アフリカ、中東、東アジア、太平洋、大西洋、インド洋にまで及んだ。
この大戦において、イギリスがとった外交政策は甚だ身勝手なものだった。

「イギリスの多重外交」と言われるが、別名「三枚舌外交」と揶揄される。

すなわち、「アラブ」「フランス・ロシア」「ユダヤ」に対して、それぞれに矛盾する約束をして戦況を有利に進めようとしたのである。

フサイン・マクマホン協定 (1915年)・・・対アラブ人
オスマン帝国(トルコ)支配下におけるアラブ人居住地の独立を約束した。
イギリスは、アラブ独立を約束することによってアラブをイギリス陣営に引き込み、トルコと戦わせることを目的とした。 
      
サイクス・ピコ協定(1916年)・・・対フランス、ロシア
イギリス、フランス、ロシアの間で結ばれた秘密協定。
大戦終了後、オスマン帝国(トルコ)の領土をイギリス、フランス、ロシアがどのように支配するかという勢力範囲 を定め、パレスチナを国際管理下 に置くというもの。

バルフォア宣言(1917年)・・・対ユダヤ人
パレスチナにおけるユダヤ人居住地の建設で、イギリスはパレスチナにおけるユダヤに配慮することによって、ユダヤから戦争資金を引き出すことが目的であった。

このような歴史的背景があることから、その史実に触れられる際に、参考として取り上げられるのがこの映画です。

残念ながら、「アラビアのロレンス」は明日で終わってしまいますが、機会があったらDVDなどでご覧になったらいかがだろうか。
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by m-morio | 2010-07-08 15:28 | 市民カレッジ | Comments(0)