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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

受け売り 現代史 緊迫する中東・アフリカ情勢④

▽リビア
▼国の概要:
 地中海に面する北アフリカに位置し、面積は日本の4.6倍、人口629万人(2008年)、首都トリポリ、アラブ人、イスラム教。
1951年に独立。1969年に、ガダフィ大尉(当時)ら青年将校団が無血クーデターで王制を倒した。
以後41年間、ガダフィ大佐(現在)が最高指導者の座にある。
憲法はなく、大佐の革命理論をまとめた「緑の書」に基づく独自の民主制を採用しているものの、実態は大佐を頂点とする強権支配体制を厳しい情報統制が支えている。
かつてはパレスチナ過激派などを公然と支援、数々の国際テロ事件にも関与した。
国際的に孤立していたが、2003年に大量破壊兵器計画の破棄を宣言し、国際社会に復帰。f0020352_105730.jpg
OPEC(石油輸出国機構)に加盟する有力産油国でもある。
09年は、日量165万バレル(注)の原油を生産し、アフリカ最大の原油埋蔵量を有する。
注) 「165万バレル」という数量を理解するために・・・
  先般(4月18日)、クエートが、東日本大震災に伴う日本の電力不足対策として、「原油500万バレル」か「それに相応する石油関連製品」を日本に無償供与すると発表した。  円に換算すると、約457億円になるという。
日本の1日当たりの原油輸入量は365万バレル(2009年)・・・と報道された。(読売新聞


▼動乱
 1ヶ月前(3月20日)、多国籍軍によるカダフィ政権に向け軍事作戦が始まった。事態は依然こう着状態で、内戦が長期化する可能性が高まっている。

 リビアで、反政府デモが起きたのは、2月15日だった。それは小規模なデモから始まった。
国境を接するチュニジアとエジプトの政変に触発される形で、リビアの北東部からデモが広がった。
40年以上にわたるガダフィ大佐の独裁支配を倒そうというのが反政府勢力の目的だった。
これに対して、ガダフィ政権は、軍や外国人の傭兵を動員し、戦闘機まで使って、徹底的に攻撃し、多数の死傷者を出した。

国連安保理は、3月17日、「飛行禁止空域」の設定を含め、リビアの市民をガダフィ政権の攻撃から守るために、国連加盟国による軍事作戦を認める決議を採択した。
この決定を受けて、同19日、フランス、イギリス、アメリカなど、多国籍軍による軍事作戦が始まり、戦闘機や巡航ミサイルでガダフィ政権の軍事拠点を攻撃した。
反政府勢力は、勢いを得て、一時は、首都トリポリまで迫ったものの、多国籍軍は、地上部隊の派遣は行わず、空からの攻撃も、市民を守るという目的に絞った限定的なものだったこともあって、ガダフィ政権側は体制を建て直し、再び攻撃に転じた。
戦況は、一進一退でこう着状態になった。

▼カダフィ独裁政権
 1969年、27歳だったカダフィ大尉(当時)ら青年将校団が、無血クーデターで王制を打破し共和制を敷いた。
77年、政党や議会制を否定し、「ジャマヒリア」と呼ばれる直接民主制国家への移行を宣言した。
憲法はなく、カダフィ氏の革命理論「緑の書」が国家指針。
18歳以上の全国民の声を、全国各地で開催される基礎人民会議で吸収する建前になっているが、実際はカダフィ氏の独裁が41年も続いている。

70年代にはパレスチナ過激派を公然と支援し、88年の米パンナム機爆破事件にも関与した。しかし、2003年に核兵器開発計画を放棄してからは、欧米との関係は改善に向かった。

国民に対しては、「アメとムチ」で、約630万人の国民の不満を抑え込んで来た。
豊富な石油収入を使い、国民の生活水準は比較的高かった。
しかし、カダフィ一族の腐敗、反体制活動家やメディアに対する人権・言論弾圧に、国民の怒りは募っていた。

▼解決を模索
 4月に入って、リビアの外務次官が、ギリシャやトルコを訪問し、トルコは停戦に向けた提案をしたと伝えられている。
また、アフリカ連合も仲介に乗り出したが、反政府勢力側は、ガダフィ大佐がリビアに残る形での決着は、“絶対にNO”と拒否する姿勢である。
一方、政府側も、ガダフィ大佐をリビアから退去させるという解決案を拒否している。
交渉による解決の見通しは立っていない。

▼事態の収拾は?
 「早期には難しいだろう」というのが一般的な見方。
先週、国連、NATO、アラブ連盟などが事態打開のための会議を開き
・反政府勢力を代表する「国民評議会」をリビアの正当な代表と認め、その資金調達のための枠組を作る
・国連の特使をリビアに派遣して、ガダフィ政権側との交渉にあたらせる
ことを申し合わせした
しかし、いずれも、事態打開の決め手にはなっていない。
軍事作戦強化を求める欧米側と慎重な姿勢を見せるアラブ連盟の間で意見の違いがある。

3月19日に、フランス、英国、米国などは「有志連合」の形で軍事介入した。
その後、軍事介入の指揮権は、3月末にNATOが受け継いだ。
NATOは、カダフィ政権側の軍がすべての拠点から撤退し、市民を攻撃する懸念が消えるまで集中的な軍事作戦を続ける姿勢を打ち出している。
だが、NATO加盟国の多くは戦闘機の投入には消極的だ。
仏は、カダフィ政権打倒を目指し、米は、政権転覆を空爆の目的としていない。
ドイツは、軍事作戦に参加しない方針だし、トルコは、もともと空爆に反対で政権側と反政権側の調停に乗り出している。
その目指すところを異にしたまま反政権側に肩入れする形で軍事介入を進めることに疑問を呈する意見も多い。

▼今後を予想するのが難しい
 少なくとも、「リビアが、反政府デモが起きる前の状態に戻る」ことは、もうないだろうという意見が多い。
シナリオとして
・ガダフィ政権が次第に追い詰められて、やがては政権崩壊の時を迎えるのか
・内戦が長期化し、かつ泥沼化して、国が分裂するのか
結末は、今後の多国籍軍の軍事作戦の進め方によっても大きく変わる可能性がある。
国連は、地上部隊の投入には慎重で、現状の空爆作戦は決め手を欠き、政府軍と反体制派の攻防は手詰まり状態になっている。
軍事介入を批判している中国やロシアなどを含めて、退陣を迫る国際的な政治圧力をさらに高める必要があると論評されているのだが。。。。。。

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「シリア」の情勢も混沌としている。
アフリカ大陸の南部でも紛争が続く国がある。コートジボワールである。
できれば、この国の現状も調べてみたい。
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by m-morio | 2011-04-27 10:08 | 市民カレッジ | Comments(0)