ブログトップ

はじめのいっぽ

hiro1029.exblog.jp

日々雑感を記録します

受け売り 現代史 緊迫する中東・アフリカ情勢⑤

▼コートジボワールf0020352_10594194.jpg
コートジボワールという国はなじみが薄い。
チョコレート好きには、カカオ豆の生産地として知られているようである。
この国の名前が新聞紙上に頻繁に登場したのはここ半年であろう。
嬉しい話題のためではない。民族・宗教・経済的な利権などが絡み合った内乱のためである。
一時は、内乱が武力衝突という最悪の事態になったが、なんとか収束に向かいつつある。
しかし、その前途は多難の様相を呈する。

手元のスクラップから知り得た情報を整理してみる。

◇国の概要
 面積・・日本の0.9倍、人口・・2110万人(2009年)、
 首都・・ヤムスクロ、実質的首都はアビジャン、
 民族・・セヌクオ族・バウレ族・グロ族他、
 言語・・フランス語(公用語)、
 宗教・・イスラム教30%・キリスト教10%・伝統宗教60%
 1960年フランスから独立。(以上は、外務省HPによる)

 カカオ豆の世界最大の生産国で、内紛にはその利権も絡んでいるらしい。
(参考)
出所は「日本チョコレート協会」のHP
f0020352_1115094.jpg


◇内乱の発端と経緯
1960年に独立後、一時は高い経済発展を遂げたが、80年代以降は経済が停滞した。
02~03年には南部・政府軍(コートジボワール人)と北部・反政府勢力(カカオ豆農場で働く隣国ブルキナファソからの出稼ぎ移民が中心)の内乱が起き、南北の分裂状態が続いてきた。

2000年の大統領選後、任期が切れる2005年に大統領選が行われる予定であったが、この内乱などを理由に選挙は延期され、バクボ氏が大統領の座に居座り続けた。
2010年10月31日にようやく行われた大統領選挙は、現職のバクボ氏と、元首相で野党連合を率いるワタラ氏の一騎打ちの構図となった。
投票の結果、過半数を得票した候補はなく、11月28日にバクボ氏とワタラ氏の上位の二人による決戦投票が行われたが、投票の直後からバクボ氏側は選挙に不正があったとして選挙の無効を訴え、両陣営の間で緊張が高まった。

選挙管理委員会はワタラ氏の当選を発表したが、その直後、バクボ氏寄りの憲法評議会が不正を理由に一部の票を無効とし、現職だったバクボ氏の当選を認定。
同12月4日、両者が就任を宣誓するという異常事態となった。

国際社会はワタラ氏の当選を承認、外交圧力をかけたが、バクボ氏は退陣に応じなかった。
この間、バクボ氏側部隊とワタラ氏支持者らの衝突が激化し、多数の市民らが死亡し、避難民も急増した。
バクボ氏の排除を目指すワタラ氏の支持隊は3月下旬に、拠点を置く北部から最大都市アビジャンに向け侵攻を開始した。

4月4日、現地に展開している国連平和維持活動(PKO)部隊の国連コートジボワール活動(UNOCI)と駐留フランス軍は、アビジャンで、大統領職に居座るバクボ氏側部隊の基地や大統領府などバクボ氏の拠点に対しヘリコプターからの空爆を行い、軍事介入に踏み切った。
フランス軍などは、バクボ氏側の攻撃から市民を守るため介入したとしている。
このワタラ氏側の総攻撃で、バクボ氏側が窮地に追い込まれ4月11日にバクボ氏は拘束された。コートジボワール情勢は最終局面を迎えつつある。





◇対立の構図
 北部・・・・・
 ワタラ氏が基盤を築く地域。ワタラ氏をはじめイスラム教徒の移民が多い。
南部よりも開発が遅れ、移民の土地所有権制限などの差別も問題になっている。
政治指導者として広く支持されていたワタラ氏も、母親が隣国ブルキナファソ出身だったことなどから長く国籍を認められず、大統領選出馬は昨年が初めてだった。
 南部・・・・・
 バクボ氏は南部を基盤とするキリスト教徒。バクボ氏と、元軍参謀長のゲイ大統領が争った2000年の大統領選では双方が勝利宣言し、武力衝突に発展。
最終的にはゲイ氏が国外脱出し、バクボ氏が就任した。だが、ゲイ氏はその後も国外から北部の反政府勢力を支援したこともあって、政府軍との対立や内戦が繰り返されてきた。

 対立は終わっていない。
最大都市アビジャンでは(4月)20、21日バクボ派の残党とワタラ派の部隊が戦闘になったという。
多くのバクボ派の政治化や官僚が、報復の対象になっているともいわれる。
大統領選でバクボ氏の得票率は46%に上った。バクボ氏支援派には、根強いワタラ氏への抵抗感がある。その大きな要因は「外国人への国籍付与」だという。

旧宗主国フランスは植民地時代、近隣のブルキナファソやマリの住民を、基盤整備やカカオ豆農園の働き手として、コートジボワールへ移民させた。その大半が今も同国北部に暮らす。
しかし、戸籍制度が整っていなかった同国が1980年代に経済停滞に陥ると、北部住民を外国人として排斥する風潮が南部で強まった。
それが02~03年の南北内乱と、国土の分断状態を招いた。
アビジャンの住民には「ワタラはブルキナファソ人。なぜ彼が大統領になれるんだ」
との意識がある。

◇新政権
 4月11日、バクボ氏の身柄が拘束され、選挙で勝利し国際的支持を得るワタラ氏が、新政権を樹立し国家再建を担うことになった。
ワタラ氏とバクボ氏の対立も、こうした南北関係の延長線上にある。
バクボ氏は、情勢不安を理由に大統領選を延期し続け10年以上君臨。加えて、昨年11月の大統領選では選挙結果を無視し、続投を宣言。
それに対しワタラ氏側の不満が爆発し、昨年11月以降、両派の衝突で千人以上が死亡した。
双方とも残虐行為が指摘され、対立の傷はますます深い。

最終的には武力で決着をつけたワタラ氏にとって、今後の舵取りは簡単ではない。
経済の低迷が続けば、南北の対立にまた火が付きかねない。
カカオ産業を中心とした経済の再興、内乱で隣国に逃れた100万人以上の難民の帰還、そして国民の和解。
宗教や民族、経済利権も絡んでその対立は根深く、和解は前途多難である。
[PR]
by m-morio | 2011-04-30 11:09 | 市民カレッジ | Comments(0)