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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

受け売り 代史 緊迫する中東・アフリカ情勢⑭

▼緊迫するイラン 3

「イスラエルが今年4月から6月の間にイランの核関連施設を攻撃する可能性が非常に高い」
と米国の国防長官が分析している・・・・・・

とワシントン・ポスト(電子版)が伝えた
・・・・・との記事が12.2.3付け日経に載った。

全く信じられないことではないようにも思うが、反面そこまでやるだろうかとの疑問も沸く。
イスラエルの対イラン軍事攻撃の可能性は、「可能性」という意味ではあり得るのかもしれないが、決して大きくはないのではなかろうか。
攻撃には少なからずリスクを伴うのだから。

イスラエルには、軍事攻撃の実績がある。
1981年にイラクの原子炉を空爆し、フセイン政権が進めていた核開発を阻止した。
2007年にはシリアを爆撃し、核関連と見なした施設を破壊している。
だからといって、三度目の爆破攻撃の可能性が高いとはなかなか言い切れないように思うのだが。。。

この辺のことを少し整理してみたい。

まず、イランの略史などについてはこちらをを参照願いたい。

その一部を箇条書きにしておくと
・周辺国との立地関係は右図のとおり(あまり美しくないですが)。f0020352_9494391.jpg
・面積は日本の4.4倍。
・人口は、73974千人(2010年)
・ペルシャ帝国のアケメネス朝(紀元前550~330)にその源泉がある。世界史上初めてのオリエント全域を支配する大帝国を築いた。
代表的遺跡が、ユネスコの世界遺産にも登録されている大宮殿跡の「ペルセポリス」。
このペルセポリスを焼き打ちし、アケメネス朝を滅ぼしたのが、マケドニアのアレキサンダー大王。
・古代ペルシャ帝国の末裔としての誇り高い
・宗教・・・イスラム教(シーア派)が多数派
・民族・・・ペルシャ人
・アラブを蔑視
・反米、・反イスラエル・・・・西洋的価値観を否定
ただし、イランには約2万人のユダヤ人が居住
・西洋音楽、飲酒の禁止(ただし、原則として)
・ノーネクタイ・・・アフマディネジャド大統領のネクタイ姿にはあまりお目にかかったことは無い
・TVは国営





▼原油の禁輸
イランと米国ひいてはイスラエルとの関係は、過去の歴史を振り返っても、今が最悪といっても過言でない。
直近では、
昨年11月、IAEA・国際原子力機関の報告書が
「イランは、原子力の平和利用だけでなく、兵器の開発を、現在も密かに続けている可能性がある」
と指摘した。
これがきっかけとなって、国際的な制裁の動きが強まった。
これに反発したイラン国民が、在イラン英国大使館を襲撃し、イランと英国の関係が急速に悪化。
昨年12月には、イランのロケット関連施設で爆発が起こり、関係者17人が死亡。
年明けには、核科学者が暗殺され、イスラエルの関与とも思われる事件が相次いだ。
また、同12月には、米ステルス無人偵察機がイランに押収された件では、米国の返還要求をイランが突っぱねたため、イランが原油を輸出できなくなることを狙った制裁法案を可決し、オバマ大統領が署名して、法案が成立した。
続いて、EU・ヨーロッパ連合も、1月23日、イラン産の原油の域内への輸入を、今年の7月以降、すべて禁止する措置を決めた。

▼イランの動向
イランは、
一貫して「核兵器の開発は行っていない」と疑惑を強く否定したうえで「原子力発電や医療用など、平和目的に開発を続ける」と繰り返し主張し、「国の威信」をかけて核開発を進めており、制裁がいくら厳しくなっても、中止するつもりはないようだ。

一方、米国やEU、それに、イランと敵対するイスラエルはイランの言い分をまったく信用していない。
このままでは、時間ばかり経過してイランが核兵器を手にしてしまうという危機感を募らせている。
イランの歳入の70%を占める原油の輸出をストップさせることで、イランを経済的に押さえ込み、交渉のテーブルに着かせ、核兵器開発を断念させることを狙っている。

しかし、イランは猛反発。
欧米の制裁に対して、制裁が科された場合、原油移送の重要な位置にあるホルムズ海峡を閉鎖するとまで言い出した。

イラン海軍は、昨年末より同海峡で軍事演習を実施。年明けには中距離ミサイルの発射実験を行なった。
これに対し、米国も空母やイージス巡洋艦およびステルス爆撃機をインド洋に集結させ、英海軍もペルシャ湾に向け最新鋭の駆逐艦を派遣した。

最悪のシナリオ
「イスラエルによるイラン核施設先制攻撃 → イランのホルムズ海峡封鎖」
ということもあり得るのかもしれない。

しかし、イスラエルによる軍事攻撃には、米国の了承が必要なのだろうが、現在のところオバマ大統領は、まだゴーサインを出す気配は無い。
下手に攻撃に出ると、そのことがかえってイランに核武装の大儀を与えてしまうかもしれないのだ。
・・・ということから、
軍事攻撃の可能性は少ないように思うのだが、如何だろうか。
(続く)
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by m-morio | 2012-02-09 10:13 | 市民カレッジ | Comments(0)