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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

受け売り 現代史 北朝鮮と韓国

「朝鮮半島」をテーマにした講座が終了しました。
朝鮮戦争後の、北朝鮮の歩んだ道、韓国の歩んだ道、そしてそれぞれの道はどこへ行くのか? を考える機会を得た貴重な時間でした。受け売り 現代史 北朝鮮と韓国_f0020352_1113792.jpg
両国は、1948年に成立し、
北朝鮮は、独裁的、閉鎖的かつ孤立的体制を維持してきましたが、この体制を今後も維持していけるのでしょうか。
そして、「朝鮮半島の統一」はあるのでしょうか。

民主化の道を進んだ韓国では、全く違った国の道を進む北朝鮮との統一など望んではいないのではないでしょうか。
あまりにも経済の格差が大き過ぎます。
万が一にも、“統一”となった際は、韓国側の持ち出しは莫大なものになりかねません。
北から南への急速な人口の移動も予想され、大混乱になるのではないでしょうか。

そして今、北朝鮮は世界から注目されています。
3月16日に、「4月にミサイル(衛星といってはいますが)発射すると予告」しました。
韓国で開催の「核安全保障サミット」でも、主な議題ではなかったものの、米韓中露の各首脳が発射阻止へ協調の動きを示しています。

しかし、この発射を止めることができるのでしょうか。
昨日今日計画されたものではないと推測します。 それなりの準備が必要です。
ひょっとしたら、金正日の生前時から、密かに進められた一大イベントなのかもしれない・・・・・と考えていましたら、28日の朝日新聞が、
この計画は「金日成主席の生誕100周年に際しての実用衛星打ち上げは金正日総書記の“遺訓”で、かなり前から計画されていた」と朝鮮中央通信が伝えたと報道しました。

恐らくは予定通りに強行するのではないでしょうか・・・。 
かの国においては、金正日の意思を捻じ曲げることなとできないのでしょうから。

その時、オバマ大統領や胡錦涛主席らは、どのような措置をとるのでしょうか。
万が一、中止となったときに、かの国は何を要求してくるのでしょうか。

その辺りのことは、発射を強行するのか否かを注視しながら、もう少し時間が経ってから整理してみることにして、今回は、韓国について、特に大統領選について触れることにします。





▼世界の大統領選挙
その前に、周知のように、今年は多くの国々で大統領選挙が予定されている。
既、新たな大統領が誕生した国もある。
・台湾総統
馬英九総統が再選を果たした。有権者は対中関係の安定を選んだ。
・ロシア大統領
反プーチン運動が拡大する中、3月4日に行われた大統領選の投票で、対立候補の弱さもあってプーチン氏が圧勝した。
今回から任期は6年に延長され、プーチン次期大統領は2018年までロシアを再び率いることになった。
過去の任期とは異なり、非常に困難な政権運営を強いられると言われている。
・ドイツ大統領
旧東ドイツの反体制活動家ヨアヒム・ガウク氏が新大統領に選出された。
今回の選挙は、前任の大統領が地元経済界との癒着疑惑の責任をとって辞任したことを受けたもの。独大統領には大きな政治的権限はない。
・モルトバ
2009年から約3年にわたって大統領不在の異常事態が続いていたが、3月16日、ニコライ・チモフチ氏を新大統領に選出した。
裁判官出身で、欧州との連携強化を目指している。
モルトバは、ウクライナと欧州連合加盟国のルーマニアにはさまれた内陸国。
親欧州派とロシアとの伝統的な関係を重視する勢力が激しく対立してきた。

そして、今後予定されているのは、
フランス・ギリシャ・エジプト・メキシコ・インド・ベネズエラ・ウクライナ・アメリカ・韓国
更に、10月には中国の新しい指導部が決まる。
それぞれの指導者の顔ぶれが揃うのは年末まで待たねばならない。

余談だが、
今秋の現代史講座のテーマは「世界の指導者たち」と決まったようだ。
そのときまでには上記の国々の大統領たちがほぼ決定しているのだろう。
それらの指導者たちはどのような舵取りをしようとしているのか・・・・などについて考えることになる。

因みに、次回は「ロシアとその周辺国」がテーマ。


▼韓国の大統領選挙
さて、韓国の大統領選。
1948年に大韓民国が成立した後、今日までの64年間に10人、17代の大統領が就任している。
この間、クーデターあり、暗殺ありと多難な歴史を辿った。
そして、今年はその大統領選挙(12月)の年に当っているのだ。

その前に、4月11日の国会議員の総選挙が行なわれる。
韓国の国会議員の任期は4年、大統領の任期は5年で、それぞれ4年に一度、5年に一度選挙が行われるので、20年に一回だけこの2つの選挙が同じ年に行われる。
今年がその年に当たる。
韓国では大統領の再選は認められない(過去には、再選が認められた時期があった)ので、次の大統領が誰になるのかが注目されている。

何が注目点か?!

それまでの軍事政権から民政に移行したのが、1988年。
盧泰愚(ノ・テウ)大統領(88~93)・・・・・・・・・・・軍人出身
金泳三(キム・ヨンサム)大統領(93~98)・・・・・保守(30年ぶりの文民大統領)
金大中(キム・デジュン)大統領(98~03)・・・・・革新
盧武鉉(ノム・ヒョン)大統領(03~08)・・・・・・・・革新

10年間の革新政権の後を受けたのが、

李明博(イ・ミョンパク)大統領(08~ )・・・・・・・・保守

注目集めるのが、次の大統領が、保守なのか革新なのか。

さて、大統領選挙の前哨戦として国会議員選挙が来月に迫った。
現在は、保守がその6割を占めているが、保守にとって形勢は楽観できない状況と言われている。
例えば、昨年10月に行なわれたソウル市長選挙では野党が勝利した。
保守苦戦の要因としていろいろ言われているのだが、一つは経済状況。
成長率に陰りが見えるとはいえ4%弱(2011年)程度が予測されるも、物価が上昇していることや、若者層の失業率が高く、その不満が李明博政権への批判につながっているらしい。
加えてスキャンダルが相次いだ。
大統領の実兄である大物国会議員の補佐官が逮捕されたり、側近だった国会議員が買収の罪で起訴されたりした。
こうした事態を受け、2月には党名をハンナラ党からセヌリ党に変え出直しを図った。
しかし、名前が変わったからといって情勢が直ぐに好転するわけでは無い。
4月の総選挙では大幅に議席を減らすのでは・・・・・と推測されている。

ただし、国会議員の総選挙で勝ったほうが必ずしも大統領選挙に勝つとはいえないのだという。
保守勢力の次期大統領候補はパク・クネ(朴槿恵)氏。受け売り 現代史 北朝鮮と韓国_f0020352_11222029.jpg
この人は、日本の高度成長を参考にして「20年弱でGDPを20倍にする」という「漢江の奇跡」を成し遂げ、在任中に暗殺されたパク・チョンヒ(朴 正煕)大統領の長女。現在セヌリ党の非常対策委員長として党を率いる。

2004年3月、党首としてハンナラ党(セヌリ党の前身)代表に就任。
2007年8月に、党大会で行われた大統領候補党内予備選挙で李明博に敗れた。
昨年12月、議員総会においてパク・クネ(朴槿恵)元代表を委員長とする”非常対策委員会”を発足させ、5年5ヶ月ぶりに党の指揮を執ることになった。
絶大な人気を誇る(・・といわれている)パク・クネ氏に勝てる候補を野党が立てられるのか話題になっているが、候補を絞りきれていない。

世襲を嫌う韓国の風土の中でも、パク・クネ氏が人気を集める理由は、その悲劇的な生い立ちにある。
母親を北朝鮮のスパイに暗殺され、父親は、自身が右腕として信頼してきたKCIAの長官に暗殺された。
彼女は、その後15年近く喪に服し、その後、国政に挑戦した。この10年以上の潜伏期間を国民は高く評価している。逆境に負けず立ち上がってきたカリスマ性に国民が期待している。

韓国の政治は、指導者によってダイナミックに変化するといわれる。
極論すれば、あたかも別の国になったのかと見紛うばかりの変化をするというのだ。
大統領選では
「北朝鮮にどういう姿勢で臨むのか?」                      
「アメリカにどういう姿勢で臨むのか?」
この2つが問われるという。

政権の交代があればもちろんのこと、そうでなく、パク・クネ氏が勝って保守政権が続いたとしても、パク・クネ氏は現大統領とはずっと距離を置いてきた人なのだとか。
だから、今までとは政策も大きく変わる可能性があるのだとマスコミは語る。

今回の大統領選挙に関心を示すのは国民ばかりではない。
お隣の北朝鮮も最大の関心を払っているのは間違いない。
革新派の金大中の太陽政策では、金正日との南北首脳会談を実現させたのはまだ記憶に新しい。
しかし、政権が保守派の李明博に交代したことによって、両国の関係は一気に冷え込んだ。
今では、北の金正恩をして「逆賊一味」とか「永遠に相手にしない」などと言わしめている。
韓国の大統領の交代によって、その政策がどのように変わるのか、
対北朝鮮対策は? 
北朝鮮の動向は?
対米国は?

注意深く見守っていきたい。
by m-morio | 2012-03-31 11:23 | 市民カレッジ

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