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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

ギリシャ 国民の選択は?

今年はオリンピックの年である。
5月10日にはギリシャのオリンピア遺跡で聖火採火式が執り行なわれた。

そのギリシャが今ほど世界の話題の渦中に晒されたことは過去になかったのではなかろうか。

ギリシャは今、揺れに揺れていてその動向によっては世界中の経済に甚大な影響を及ぼしかねないところまで事態は深刻である。

ギリシャといえば、その歴史は古く・・・・・・と考えがちであるが、歴史は200年にも満たない。
ギリシャという国が成立したのは、19世紀の初め(1930年)になってから。f0020352_19275424.jpg

その前を遡っても「ギリシャ」と呼ばれる一定の国土をもつ政治的な単位が存在したことがない。
古代ギリシャは、ポリスと呼ばれる都市国家が並立する世界だった。
今日のギリシャにあたる地域はオスマン帝国の領土となり、この帝国から独立を果たすことで誕生した国家なのである。

1821年、オスマン帝国に対する反乱が企てられ、各地の都市で蜂起し、ギリシャ独立戦争へと発展するが、ここに英・仏・露が介入し、結果として独立を果たすことになる。
建国以来、ギリシャの政治はこれらヨーロッパの大国に翻弄されてきた。

第二次世界大戦後は、アメリカの強い影響下に置かれた。                
ギリシャが、東地中海という、大国の利害関係が衝突する、地政学的に重要な地域に位置したためである。
また、ギリシャの国家財政は、独立以来、外国からの借金に大きく依存し、経済の面でも、大国の出方に大きく左右された。
ギリシャは、独立国家でありながら、なかなか自立の道を歩むことができなかったのである。
今日のギリシャも、まさに同じような状況に置かれている。

EUとIMFが厳しい監視の目を光らせている。
もちろん、現在のギリシャが直面している経済的な苦境は、ギリシャ自身が招いたものである。
歴代の政府は、政治や経済、社会の近代化のための構造改革を、うまく進めることができなかった。
過去の政策に、民衆に迎合しようとする面があったことは、否定できない。 
そのために、借金を重ねた。
今日の経済危機をめぐっては、その場しのぎの政策を続けた政府だけでなく、そのような政府を選んできたギリシャ国民も、重い責任を負わなくてはならないのだろう。

2009年、ギリシャの財政赤字の規模が莫大で、しかも政府が数字を誤魔化していた疑惑が発覚、信用不安に火がついた。
EUの加盟国は、ユーロの信頼性を保つために財政赤字や国の借金を一定の規模に抑える義務がある。
ところがギリシャの2009年の財政赤字は、この基準の4倍以上である事が判明した。

本当に借金を返せるのか、ユーロは大丈夫なのか不安が広がったのである。
以後、足掛け3年にわたってEU、IMFによる救済策が検討され、その一部は実行に移された。

5月6日、財政危機が明るみに出て初めての選挙が、ギリシャで実施された。                    
この選挙では、財政緊縮策と構造改革プログラムの実行を、ギリシャ国民が支持するかどうかが問われた。
ギリシャ国民の大多数は、ギリシャがユーロ圏に留まることを望んでいた・・・
と伝えられていた。                          

暫定政府が国民に支持されたのか?
そうは簡単にはいかなかった。
暫定政府を構成していた二大政党は過半数を獲得できなかった。
その理由は、過去30年の政治こそが、今日の危機を招いたことが明らかだったからである。

長年、交代で政治を支配し続け、今回の危機を招いた2つの連立与党への強い不信感が影響している。
連立与党側は、緊縮策を緩和するEUとの再交渉カードをちらつかせて他の5つの政党に協力を要請するも受け入れた党はない。
他の党も与党の不人気で躍進しただけで、緊縮政反対という点以外有効な対案がある訳ではない。

大統領は、各政党へ組閣の調整に乗り出すも、ことごとく失敗に終わり、とうとう来月17日に再選挙を実施することになってしまった。

EUなどによる未実行の融資を実施するための条件を履行するには、既に時間的に不可能とも言われだした。

再選挙までに破綻するのではないかとさえ囁かれ、国内では銀行の取り付け(預金払い出し)が始まっているともいう。

フランスでは、オランド大統領が誕生した。
EUの緊縮策一辺倒の方針に変化が生じる可能性もある。
オランド大統領の最初の訪問国はドイツだった。
メルケル首相と“握手”はすれども具体策もなく、再燃した危機を封じ込めるための協議は先送りされた。

最新の情報では、
EUは、「ギリシャの財政再建策を見直すのは不可能だ」と、再選挙に向けて勢いづく緊縮反対派に警告を発したという。

また、同国がEUおよびユーロ圏に留まりたいなら、「自ら結果を出す必要がある」とも呼びかけている。
国民一人一人の判断がどのような結果をもたらすか、よく考えて投票するよう促したのである。

重ねて、「ギリシャは、ユーロ圏と約束した再建策を断行する以外に道はない」と強調している。
緊縮反対派が勝利すれば、ギリシャには、これまでよりも過酷な将来が待っていると警鐘を鳴らしている。

ギリシャに端を発したユーロ危機は、今後どのような展開をみせるか。
また、ギリシャ国民は自国の責任をどのようなかたちでとろうとするのか。。。。

ヨーロッパは 今 試練 に晒されている。
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by m-morio | 2012-05-17 19:30 | 市民カレッジ | Comments(0)