ブログトップ

はじめのいっぽ

hiro1029.exblog.jp

日々雑感を記録します

「脱原発」 は どこへ?

政権が交代した。
新政権の動向で注意深く見守っていかなければならなのは、やはり「原発・エネルギー政策」だ。
野田政権は、12年9月に「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す新しいエネルギー戦略をつくった。
内容にはあいまいさはあったにせよ、脱原発のタイミングを具体的に示した意義はあったのだろう。
残念(?)ながら、その行く末を見定めずに、政権は挫折した。

▼脱原発問題で、自民党は、「軽々に(原発)ゼロにするとは言わない」とし、「今後10年以内に最適な電源構成を確立する」との公約を掲げた。
安倍晋三首相は12年12月30日のTBS番組で、                                     原子力発電所の新増設に関して                                          
「新たにつくっていく原発は、40年前の古いもの、事故を起こした東京電力福島第1原発とは全然違う。何が違うのかについて国民的な理解を得ながら、新規につくっていくことになる」             
と前向きな姿勢を示した。

何か勘違いしていないのか。今停止している原発の大半が"古いもの"との認識なら、再稼働などできるはずもない。

新政権の出発後1か月で、”原発維持・推進”の方向に舵を切ったと思わせる首相・大臣の発言が伝えられるのにも驚かされる。
自民党の公約に「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」とも謳っているのだが、今一つ方向性が見えない。

▼少し振り返ってみると、昨年夏、エネルギー政策に関して”国民的議論”が行われた。
当時の政権が示した「2030年時点での原発比率を0%、15%、20~25%」の3点に絞った叩き台で実施された。
実質的な議論に充てられた時間は2か月程度と短く、意見聴取会や意見募集、参加者の選定などにおいてさまざまな不備も指摘された。国民的議論というには不十分さ、拙速さが目立ったものだった。
しかし、多少の難があったにせよ、国民の大勢の意見が”脱原発”にあったのはまぎれもない事実なのではなかろうか。

そんな背景を知ってか知らずか(?)、耳をふさいでいるのか(?)、政権が変われば政策も変わるのは当然といわんばかりだ。

▼1月28日の安倍総理の「所信表明演説」では、原発問題にはTPPとともに触れられなかった。
今夏の参院選を意識してのことなのか。総理は、後日行われる「施政方針演説」との重複を避けたといっているらしいが、選挙を念頭において、敢えて避けたとも受け止められる。
脱原発やTPP問題は、前政権からの継続案件だ。
火種だからといって避けて通れる問題でない。避ければ避けるほど、国民は”原発維持”へ舵を切るのだと思ってしまう。
経済政策が大事なのはわかる。
しかし、福島第1原発の廃炉は長期間を要する見通しだ。
被災地の復興は迅速に進んでいる様子はない。
放射能の除染も、汚染物の処理問題も含め難航している。
1月30日、安倍総理は、衆院本会議で、2030年代に原発稼働ゼロを目指すとした野田前政権の「革新的エネルギー・環境戦略」について、「ゼロベースで見直し、責任あるエネルギー政策を構築する」と述べ、全面的に見直す考えを表明した。

前政権の打ち出した方針などを白紙に戻すというのだ。
首相は、「原発依存度を低減させていく」とし、「いかなる事態でも国民生活や経済活動に支障がないよう、エネルギー需給の安定に万全を期す」と強調した。

▼脱原発の機運はしぼみつつある。
これは、福島の事故の恐怖を忘れたということである。
新しいエネルギー政策は、今年の夏に決定することになっている。
原子力規制委員会は、再稼働の安全基準作りの最中だ。
難題として”活断層”の問題が浮上している。
安全基準はかなり厳しいものになるらしいとの報道もある。
まだ紆余曲折があるのだろう。

未定であったり、曖昧のままになっている事柄も多い。
・先の総選挙が”違憲”だとの訴えが全国各地で提起されている
・再稼働是非の判断は、規制委がするのか政府かも明らかでない
・規制委の委員の国会承認も未済だ

経済産業相は1月17日、
建設中の大間原発など着工済みの原発について「建設を進めることに全く問題ない」(規制委による安全性の確認が前提となる)と語り、核燃料サイクル政策に関しては「政策の意義は今後も変わらない」と堅持する考えを示した。

使用済み核燃料を再利用しようという「核燃料サイクル」を推進しようとしている。
その中核となる再処理工場は今年10月に完成するというが、規制委の安全基準がまだ確定前の今、その条件をクリアできるのかも分からない。
そして、「高レベル放射性廃棄物」いわゆる「核のごみ」の処理をどうしようとしているのか? 
保管方法、保管場所も全く決まっていない。
特に、保管場所については、日本だけのの問題ではなく、米欧の原発推進国においても全く同様だ。(フィンランドだけが唯一設置作業中)
この核のごみの処分場が決まらないまま、多くの国が原発を稼働し、増設を計画している。

1月30日、英の州議会では、最終処分場の候補地となっていた場所に処分場建設計画の是非を問う採決が行われ、否決された。
英政府は、「原発を今後も新設するという方針は変えない。ほかの自治体が候補地に名乗り出てくれるよう働きかけていく」としている。
英の動向は、現在の最終処分場の現実を象徴している。

「核のごみ」の問題を避けて"原発問題"語ることはできない。
[PR]
by m-morio | 2013-02-02 15:07 | 市民カレッジ | Comments(0)