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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

ヒマラヤを越える子供たち

昨夜、 サンピアザ劇場 でちょっとした催しが・・・。
チベット難民を支援するグループが主催したものです。
そこで30分ほどの映像が紹介されました。
          Escape over the Himalayas (ヒマラヤを越える子供たち)
というものです。

f0020352_13401093.jpg6000メートル級のヒマラヤを越えて亡命するチベット難民の子供たち5名とその子らをサポートする大人に同行して撮ったドキュメンタリーです。

"チベット"で紹介しましたようにチベットという国はありません。
中国領チベット自治区です。
この自治区から現在も毎年数百人の子供たちが親元を離れ、ヒマラヤ山脈を数週間かけて徒歩で、しかも足元は夏用の運動靴姿で超え、ネパールを経由してあのダライ・ラマ14世がいるインドのダラムサラへと向うのだといいいます。
この逃避行には危険が伴います。
勿論中国の監視の目というのもありますし、厳しい気象条件のため命を落としたり凍傷で手足を失う可能性も・・・・。

では、なぜ彼ら(10歳前後の子供たちです)はこれほどの危険を冒してまでも親元を離れてインドへと向うのでしょうか。
そこには圧迫された民族の厳しい現実がその後押しをしていることは明らかです。

前掲のとおり自治区においては中国語が使われています。仕事を求めるには中国語を習得しなければなりません。
必然的にチベット語を教えなくなってきています。従って、チベット語は廃っていくばかりです。
チベットの文化や歴史を後世に伝えられなくなっているのです。
教育費が極めて高く(意図的らしい)普通の教育すら受けられないのです。
識字率も45%と低く中学校へは7人に1人しか行かず(行けない)という現状です。
また、チベットは仏教徒です。仏教の教えと寺院と僧侶を大事にします。ところが中国側は一時期、殆ど全ての寺院を破壊しました。
現在も僧侶の数を制限し、僧侶達に「ダライ・ラマを批判せよ」と迫り、拒めば投獄されたりしていると言われています。亡命者に僧侶が多いのはこの辺の事情かも知れません。
インドへ行けばチベット語も仏教も勉強できるのです。即ち"チベット人として生きられる"ということです。親達はそんな思いで子供たちを亡命させているのです。

ダライ・ラマはインドで亡命政府を維持し教育にも熱心です。「子ども村」という仕組みを作ってチベット人の子どもの教育に力を入れていて、インド国内に11箇所、14000人が学んでいます。これらの教育費は無料だとか・・。

でも、インドで ばら色の生活 が待っているわけではありません。
特に大人にとって人口の多いインドでやり直すことは難しいのです。
子供たちは学校を終えると、再びチベットへ帰っていく者も少なくないとか・・・インドもまたチベット人が腰を落ち着けられるという社会とは言い切れないようです。

帰国すれば、中国側の対応は極めて苛酷なもので、ここでも投獄も覚悟しなければなりません。
亡命したがために中国語が分からず苦労することにもなります。
更に、悲惨なことにチベット人の女性は13歳になると避妊手術を強制的に受けさせられるとか・・。チベット人を増やさないようにという意図からなのでしょうか。(書物にも書かれていたことではありますが、今回改めて日本人僧侶の話にでてきました)
過日(7月1日)の鉄道敷設は今後このチベットにどんな変化をもたらすのでしょうか。

この映像で、逃避行でインドに着いた15歳の僧が語った言葉が印象的です。
    "初めは中国を憎みました、でも同じ人間だと思うと同情を覚えます"・・・。

もしこの映像をご覧になりたい方、DVDが手元にあります。
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by m-morio | 2006-07-16 13:50 | 中国のこと | Comments(0)