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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

スリランカ

正式な国名は スリランカ民主社会主義共和国 といいます。
この国が抱えている問題は、図式的に考えると比較的単純です。
そこで順序を違えて(東ティモールは後回しにして)まずこの国について整理してみます。

スリランカといえば「紅茶」ですね。"セイロンティー"として有名で、セイロンはスリランカの旧国名です。ダージリン(インド)、キーマン(中国)と並んで世界三大銘茶に数えられインドに次いで世界第二位の輸出量を誇っているのだそうで、茶葉が生産される茶園の標高により、3種類に分類されているのだそうです。(あまり知識がありませんので・・受け売りです)この国の中央部には1000m級の山々が連なり、斜面という斜面は一面に広がる茶畑。お茶の葉の美しい緑の中で、色とりどりの服装をした女性が大きなかごを背に茶を摘みます。f0020352_932119.gif彼女達の大半がタミル人。この丘陵地帯は標高が高くとても熱帯とは思えない気候で、平地のジャングルやビーチとはまるで違った別世界のようです。その面積は北海道を一回り小さくしたくらいで、人口は1900万人程度です。かってこの国を訪れたマルコポーロは「世界で一番素晴らしいところ」と言ったとのこと・・・。新国名の「スリランカ」は、「光り輝く島」という意味だといいます。

こんなに穏やかな風土の国で今何が起こっているのでしょうか。
まず、現在の状況を・・・
スリランカは今、総人口のうち、73%を占める多数派「シンハラ人」(主に仏教徒)と、18%の少数派「タミル人」(主にヒンズー教徒)の”民族対立”を抱えています。その最も過激化したのが、タミル人の過激派組織「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)による武装闘争です。
f0020352_9373623.jpgその要求は、タルミ人が居住する地域であるスリランカ最北端のジャフナ半島を中心とする北・東部の分離独立です。LTTEは1995年11月、政府軍の総攻撃で本拠地のジャフナ半島を失いジャングル地帯に逃げ込んで以来、ゲリラ戦や自爆テロで徹底抗戦を続けています。

ではその紛争の原因はどこにあるのでしょう・・・
スリランカが1948年にイギリス連邦内の自治領(スリランカ)として独立して以来の、多数派シンハラ人優遇政策が一つの原因になったといえます。自治領から完全に独立した1972年の新憲法では、シンハラ語が公用語であることを基本とし、仏教が国教に準ずると定められました。また、大学入試におけるシンハラ人優遇措置もあり、タミル人が公職等につく機会が激減し失業率の上昇を招きます。こうした一連の「シンハラ至上主義政策」に加えタミル人が多く居住する地域に対して、国営企業の誘致が停止されたり、シンハラ人の入植政策が推進されるなどによってタミル人の不満は高まっていきます。タミル人側は、不服従運動などによって地位改善を求めましたが、両民族間での虐殺事件がエスカレートし、そうした環境の中からタミル人の間に過激派が台頭していきました。1983年、政府軍兵士がタルミ人過激派に殺害されたのを機に、シンハラ人がタルミ人を無差別に襲撃し、これを機にタルミ人過激派と政府軍の全面対決に突入しました。

次に 対立の背景について触れてみましょう・・・
スリランカの先住民は北インドから渡来したとされるシンハラ人です。シンハラ人のタミル人差別は、タミル人が南インドから遅れて移住したドラビタ人であるとの認識があるからだとされています。このような関係から当初はタルミ人過激派を南インド側が支援しましたが、インド中央政府は「分離独立は非現実的」との立場をとり、交渉による政治解決を模索します。しかし、スリランカ政府はLTTEの本拠地ジャフナ半島を総攻撃。インドが軍事介入し、和平協定を締結します。ところが、LTTEは「和平協定は無効」としてインド軍との全面戦争に突入します。その後インド軍も撤退しますが、LTTEはガンジー首相を暗殺するという暴挙にでたことによって、インドのタルミ人の支持を失うことになります。そして今、長期戦による疲弊と妥協のない闘争姿勢は、スリランカのタルミ人の支持さえも失いつつあります。

今後の展望はどうでしょうか・・・
政府軍とLTTEとの争いは、インド軍の撤退後1990年6月に本格化します。政府軍は1995年11月、LTTEの本拠地ジャフナ半島を制圧し、ジャングル地帯を通る国道を押さえて「勢力の分断」を図ろうとしていますが、一進一退の攻防が続いています。現在、政府はタルミ人多住地域に自治権を与える地方分権法案を国会で成立させ、LTTEとの和平を進めようとしていますが、野党が反発し法案は棚上げ状態です。LTTEはあくまでも「独立」を要求し政府の主張とは大きな隔たりがあり交渉の糸口さえ見えず、紛争は長期化は避けられない見通しです。最近の報道(06.09.01)によりますと、ノルウエーなど欧州連合(EU)の停戦監視団も徐々に撤退をはじめ、監視団は事実上その機能を停止している状態です。更に、10月17日付の報道によりますと、LTTEの犯行とみられる自爆テロが再び起こり海軍兵士らが92人が死亡し、百人以上が負傷したと報じています。事態はますます混迷しています。
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by m-morio | 2006-10-18 09:43 | 市民カレッジ | Comments(0)