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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

力士の日本語

今年最後の大相撲九州場所が始まりました。
そして、旭鷲山が引退を表明しました。
その挨拶・・「日本のファンのみなさんに15年間お世話になりありがとうございました」
旭鷲山の場合は、15年も日本に滞在したのだから日本語を流暢に喋るのは当然・・・との受けとめ方もあるでしょうが。。。

いつもテレビを観ながら思うのですが、外国人の関取はそろって日本語が上手だなぁー・・・と。日本のスポーツ界では外国人選手が大勢活躍していますが、それらの人たちと比べても関取たちの日本語は群を抜いているように思います。なぜだろう!?
という疑問をある雑誌の記事が解決してくれました。力士の日本語_f0020352_10554899.jpg

その記事によりますと、
いろいろな条件が相乗的にからみあった成果のようです。
箇条書きしますと
①「並外れたハングリー精神」
②「365日24時間日本語漬けの生活」
そして
③「おかみさんの存在」
ということになるらしい。

国技館に「相撲教習所」というのがあって、新米の力士はここで相撲の実技や一般教養を半年かけて学ぶ。当然外国人力士も一緒。「書道、社会、科学、相撲史など」を学ぶ。教科書はもちろん黒板に書かれる文字も全て日本語で、理解できようができまいが授業はドンドン進んでいく。当然外国人力士はチンプンカンプンだ。しかしその点では日本人の若者も同じ。居眠りする者もいるが教師や兄弟子が竹刀でビシビシとやる。
外国人力士はもともと母国でレスリングなどで結果を残してきたエリートなので、厳しさを知っているしプロ意識も高い。反面、日本人は、中学を出たばかりのスポーツの経験もあまりない新弟子が多いから、体力や体格、気持ちの持ち方も相当な開きがある。


いま、アメリカ人の力士はは0だ。一説には、不条理な日本式稽古に合理的なアメリカ人は反発するなどの理由があるとか・・・。でも最たる理由はハングリー精神を持った人材がアメリカに少なくなった。
外国人力士の多くは、家族への送金を欠かさない親孝行者で、それが下地となってどんなにつらい稽古でも逃げ出さないし、円滑に暮らすために日本語を必死で覚える。
そのうえ大相撲には他のスポーツと違って「シーズンオフ」がない。
野球やサッカーには年数ヶ月のオフがあるが、相撲の場合は隔月で本場所があり地方巡業もあるので1年間殆ど休みがない。
しかも入門して関取になるまで兄弟子達と共同生活をしながら、先輩力士の身の回りの世話をしなければならない。上下関係の厳しい世界だけに、言葉の壁のため叱られることはしばしばで、嫌でも日本語漬けの毎日となる。


更にもう一つ相撲部屋では、強い力士を育てることに加えて礼儀作法を初めとして、日本の伝統文化やしきたりをしっかり身につけさせることと言う側面がある。それを徹底的にしつける。なぜそこまでするのか?「相撲は日本の国技だから」。
相撲は、永い歴史と伝統を背負った国技なので、外国人力士といえどもその伝統を受け継がなければならない。
だから、外国人力士だろうが日本のしつけを徹底して身につけてもらうのだ。
したがって大相撲は他のスポーツと違って外国人を特別扱いしない。


そして、日本語の熟達には「おかみさん」の存在が大きいのだそうです。
幼児の絵本を使って毎日読み聞かせるおかみさんもいるそうで、並みの日本語教師には到底真似のできない熱心さなのだ。母親役として優しい気配りを見せながら、日本の伝統的作法や言葉を厳しく指導している。その中から信頼関係が生まれて、外国人力士たちも素直に言うことを聞くようになって、ますます言葉も上手になっていくと言います。

そういえば、先場所優勝した朝青龍が、千秋楽の懸賞金を全ておかみさんに贈ったとか・・・風の便りに聞きましたが。

ちなみに この雑誌 「通販生活」 です。
by m-morio | 2006-11-14 11:13 | 日々雑感

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