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はじめのいっぽ

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受け売り 現代史 : 新疆(しんきょう)ウイグル自治区 ~中国の少数民族問題の行方~

f0020352_12521419.gif◆07年1月9日付け道新に次のような記事が載りました。(抜粋)
中国新疆ウイグル自治区において、自治区公安庁が「東トルキスタン解放組織」(中国がテロ組織として指定しているウイグル独立派組織)を攻撃し、「テロリスト」18人を殺害、17人を拘束したと発表した。中国政府は、「東トルキスタン解放組織」を最大のテロ脅威として位置付け2001年の9.11以降取締りを強化しているが、一度にこれだけの人数を殺害したのは異例。同地区にはイスラム教徒のウイグル族が多数居住、根強い独立運動が続いている。中国政府は、テロによる被害が大きいと強調しているが、米国の人権団体などでは「テロ撲滅に名を借りた当局の人権侵害」と指摘する声も多い。

◆ウイグル自治区は、56の民族が共生する多民族国家・中国にあって、民族・宗教問題がくすぶることを象徴する地域といえます。
中国北西部に位置し面積は166万平方キロ余りで中国最大の自治区(5地区あります)です。

モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタン、インドと隣接していて、中国で、最も暑く、最も寒く、最も乾燥し、最も風の強い地域です。
冬は-15度前後、夏は40度前後と年間の気温差が大きく、1日の気温差も大体15~16度前後あって気候的にも厳しい環境にあります。
ウイグル、カザフ、回、キルギス、蒙古、などの少数民族が住んでいます。勿論、漢族も・・・。
しかし、2000年時点で、ウイグル族45%、漢族40%でしたが、恐らく現状は、逆転して「漢族が過半数」を占めているのではないでしょうか。
なぜならば、チベット同様政府が意図的に漢族を送り込んでいるからです。経済発展の力になる・・との口実で。。。

北部には海抜2-3千メートルのアルタイ山脈、中央には海抜3-5千メートルの天山山脈、南部には海抜5-6千メートルの崑崙(コンロン)山脈(チベットとの境を東西に走る)などがあります。中国最大の砂漠タクラマカン砂漠の面積は約32万平方キロにも及びこの地区のの20%弱を占めています。石油、非鉄金属、玉石などの産地でもあります。

◆古来からシルクロードの要衝として多くの民族や国家が興隆しましたが、10世紀頃からイスラムが勢力を拡大してきました。
1999年2月、自治区の区都ウルムチで、イスラム教徒のウイグル人青年グループが「新彊独立」を叫び、警察隊と衝突。その他にも何度も衝突と騒乱が起き、爆弾テロは、異なる民族の共存の難しさを物語っています。

◆新彊の民族運動の背景には、中央アジア諾国を拠点とする支援組織の存在があります。これが国境を越えた新彊でのウイグル族活動家を物心両面で支えています。

これらの国々は旧ソ連時代、社会主義体制下にありましたが、1980年代に入り、ソ連の締め付けが緩んだことで、中央アジアで活動を続けてきたウイグル族組織が一気に活発化、さらにソ連の崩壊で中央アジアや中東のイスラム教圏の民族主義が高揚、中央アジアで活動を続けてきた少数民族組織が活動を本格化させたといえます。

新彊での運動の活発化は、ソ連の解体という国外情勢の変化と外からの影響の浸透が挙げられ、同じトルコ系のカザフスタンやキルギスタンの民族運動に刺激されています。トルコのイスタンブールでは1998年、「全世界東トルキスタン解放組織連盟」が結成され、新彊ウイグル自治区の運動との連携を目標に掲げています。

◆中国の現行憲法は「信教の白由」を保障していますが、世界的な動きであるイスラム勢力の拡大が自国にも及んでいることを警戒。さらに宗教の無秩序な容認が国家分裂にもつながるとの懸念もあり、イスラム教を厳しい監督下に置いています。このことがイスラム教徒の反発を招き、摩擦要因になっている側面も見逃せません。

◆新彊では1949年の新中国成立前の一時期、「東トルキスタン共和国」を名乗る「国家」が存在した経緯があります。同共和国は1946年、ソ連の圧力の下、当時の中国国民党政府と和平を結んで解散しました。
この独自国家の再興こそが、新彊の分離独立運動の根源です。

◆中国当局は民族・宗教問題という火種を抱える新彊ウイグル自治区へのテコ入れ策として、地域格差解消を図るためインフラ整備を進めながら、分離独立など不穏な動きを徹底的に封じ込めるという作戦に出ています。
国内外の少数民族対策の意味合いも込められ、周辺諸国との関係強化を今後、さらに進める考えです。
中央政府が“アメとムチ"を使い分け続ける方針は今後も続きそうですが、人権問題としてアメリカなど西側諸国も動向に注目しています。
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by m-morio | 2007-06-23 12:36 | 中国のこと | Comments(0)