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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

カテゴリ:中国のこと( 41 )

先日、「一人の少女の死」のことに触れました。

このお話の後日談があります。
少女にまつわる更に詳しい事情・背景が載っていますのでご紹介します。

涙を誘った美談「捨て子の少女の死」の背景
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by m-morio | 2008-01-15 12:47 | 中国のこと | Comments(0)
日経ビジネス NBonline に 
           「2007年記事別 年間総合ランキング ベスト30」
というのが載っています。

2007年1月1日から12月21日までに、日経ビジネスオンラインに掲載されたすべての記事からアクセス数が多かった記事のベスト30です。

その第1位になったのが
【宋文洲の傍目八目】  捨て子の少女の死と、脱・格差社会のもと
です。

1996年11月の四川省の寒村。若い未婚の男性農夫が草むらに捨てられた女の子の赤ちゃんに気づきました。赤ちゃんを育てるのは、貧乏な彼にとって重い負担。そう考える彼は何回も赤ちゃんを抱き上げては下ろし、立ち去ってはまた戻りました。最後、彼は命が尽きそうな赤ちゃんに呟きました。
              「私と同じ、貧しい食事を食べてもいいかい」と。


一読をお勧めします。
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by m-morio | 2008-01-13 11:24 | 中国のこと | Comments(0)
昨晩、NHKの「激流中国・・・5年1組 小皇帝の涙」をみた。
ご承知のように、中国では長い間「一人っ子」政策を実施している。
以来、一人っ子家庭で、親が子を過保護に育てるという「小皇帝」問題が指摘されてきた。
(「小皇帝」については ”たっくんは 小皇帝 ではない”で少し書きました)

経済面では急成長している陰で、(映像にでてくる)国営企業をリストラされた夫婦の過剰な子供への期待、学校が“成績”を重視し世間の評判を得ようと叱咤激励する教育ブームの過熱ぶりがおさまることはない。

しかしそれが子供たちに重い負担となり、心に暗い陰を落としている。遠足の組み分けを作らせると「成績の悪い子」が一人はじき出されてしまった。両親の期待、愛の鞭、親子間の葛藤の末“僕 疲れました”と涙ながらに語る子供や勉強についていけない子のやり場の無い苦悩の姿は痛々しい。
親子対面での意見発表の場。私の目には異常に映った。
子供は涙ながらに“成績至上主義”、「それでいいのか?」と訴えるが、親はその立場・経験則から反論する。子供たちは黙ってしまう。

中国政府も、学力偏重主義に警告を鳴らし始めたとのことではあるが・・・。我々日本での状況から推しても簡単に解決される問題ではないようだ。

この番組はシリーズで放送され既に8回目になる。
現地の中国ではこの番組は公式には放送されていない。しかし、インターネットを通して中国語の字幕付きで読むことができ、大きな論議を呼んでいるという。
当局はネット上からの削除を指示するがサイトを換えてアップするのでいたちごっことなっているらしい。
(内容が中国が直面する各種の問題を現場に密着して取材しているので当局を刺激するだろうなあ・・という場面もある。)

勿論、
「一つの側面を全体であるかのように取り上げ、悪意に満ちている」 「自国の問題を棚に上げ、中国を批判し、その発展を阻害しようとしている」
といった反対意見もあるが支持する意見は根強いという。

昨年4月から始まった番組はそれ以降、月1~2本ペースで放映の予定であったが、中国政府の抗議を受けて7月、8月は見送られたらしい。その後は、当局の立場を受け入れ、条件付で9月から再開したとのこと。

「中国のメデイアができないことを日本のメディアがやった」という声もあり、それだけ経済格差の拡大や言論の不自由が深刻だということのようである。
上記のようにネットで読めるからといって、中国に「言論の自由」があるというわけではない。取り締まろうとしても取り締まれない“ネット”という空間が生まれているといことなのでしょう。

これまでに放送された番組は次のとおりです
07.04.01(日) 富人 と 農民工
07.04.02(日) ある雑誌編集部 60日の攻防
07.05.06(日) 青島 老人ホーム物語
07.06.10(日) 北京の水を確保せよ~しのびよる水危機~
07.09.09(日) 民が官を訴える~土地をめぐる攻防
07.10.07(日) チベット 聖地に富を求めて
07.11.04(日) 密着 共産党地方幹部
08.01.06(日) 5年1組 小皇帝の涙
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by m-morio | 2008-01-07 16:29 | 中国のこと | Comments(0)
人様のために、何かをする、力を貸す、援助するということは人生の中でその大小の差はあれたまには起こる。
ところが、その結果について相手から何の反応も無かったり、曲解されたり、感謝すらされないとしたらその行為も空しい。

◆小さな新聞記事を目にした。        「最後の円借款署名」
要点は
1 最後の対中円借款となる今年度供与分(463億円)の署名を行った。
2 資金の使い道は環境関連の案件
3 中国側は、「中国の改革・開放政策支持の象徴となってきた。経済発展や貿易拡大、日中友好に積極的役割を果たしてきたことを高く評価する」と述べた。
4 円借款は1979年度に始まり、累計額は3兆円を超える。
などというものだ。

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by m-morio | 2007-12-24 11:11 | 中国のこと | Comments(0)
を機会にもう一度“チベット”を振り返ってみます。
1949年、中国の人民解放軍はチベットに侵攻して全国土を占領し始め、1959年に勃発したラサ蜂起が鎮圧されるに至り、ついにはダライ・ラマ14世がインドへ逃れ、続いて約8万人のチベット人(族)が亡命し、インド、ネパール、ブータンに定住しました。

チベット人の総人口は600万人。209万人はチベット自治区に住んでいます。
その他はチベット自治区以外のチベット人地区です。また、世界各国にも分散し日本には60人ともいわれます。(2002年)

難民の流入は今も続いています。
現在、難民の数は、亡命中に生まれた者を含めて合計13万人以上です。

自らの生命を賭けてチベット人は、老いも若きも、中国支配のチベットから毎年2,000人以上が脱出し続けているといわれています。
何千キロにも及ぶヒマラヤ山脈の壁を越えてなんとか中国を脱出できた人たちは、チベット亡命政府の難民収容センターに保護されるのです。 f0020352_19383642.jpg
写真は 「ネパール国境付近のヒマラヤ越えの難民」→
ご参照: チベット 悲惨

この度日本を訪れたダライ・ラマ14世は新聞社との会見で、現在の中国チベット自治区や周辺のチベット人居住地区の情勢について「ここ数年で最も緊迫している」と述べています。

「ダライ・ラマの帰還を求めるチベット人住民」や「ダライ・ラマの米議会名誉黄金賞受賞を祝うチベット仏教の僧侶らの活動」に対し、中国当局が武装警察部隊を出動させ、多数の住民、僧侶を投獄するなどの弾圧を強めていることを明らかにしています。

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by m-morio | 2007-12-05 19:56 | 中国のこと | Comments(2)
f0020352_12521419.gif◆07年1月9日付け道新に次のような記事が載りました。(抜粋)
中国新疆ウイグル自治区において、自治区公安庁が「東トルキスタン解放組織」(中国がテロ組織として指定しているウイグル独立派組織)を攻撃し、「テロリスト」18人を殺害、17人を拘束したと発表した。中国政府は、「東トルキスタン解放組織」を最大のテロ脅威として位置付け2001年の9.11以降取締りを強化しているが、一度にこれだけの人数を殺害したのは異例。同地区にはイスラム教徒のウイグル族が多数居住、根強い独立運動が続いている。中国政府は、テロによる被害が大きいと強調しているが、米国の人権団体などでは「テロ撲滅に名を借りた当局の人権侵害」と指摘する声も多い。

◆ウイグル自治区は、56の民族が共生する多民族国家・中国にあって、民族・宗教問題がくすぶることを象徴する地域といえます。
中国北西部に位置し面積は166万平方キロ余りで中国最大の自治区(5地区あります)です。

モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタン、インドと隣接していて、中国で、最も暑く、最も寒く、最も乾燥し、最も風の強い地域です。
冬は-15度前後、夏は40度前後と年間の気温差が大きく、1日の気温差も大体15~16度前後あって気候的にも厳しい環境にあります。
ウイグル、カザフ、回、キルギス、蒙古、などの少数民族が住んでいます。勿論、漢族も・・・。
しかし、2000年時点で、ウイグル族45%、漢族40%でしたが、恐らく現状は、逆転して「漢族が過半数」を占めているのではないでしょうか。
なぜならば、チベット同様政府が意図的に漢族を送り込んでいるからです。経済発展の力になる・・との口実で。。。

北部には海抜2-3千メートルのアルタイ山脈、中央には海抜3-5千メートルの天山山脈、南部には海抜5-6千メートルの崑崙(コンロン)山脈(チベットとの境を東西に走る)などがあります。中国最大の砂漠タクラマカン砂漠の面積は約32万平方キロにも及びこの地区のの20%弱を占めています。石油、非鉄金属、玉石などの産地でもあります。

◆古来からシルクロードの要衝として多くの民族や国家が興隆しましたが、10世紀頃からイスラムが勢力を拡大してきました。
1999年2月、自治区の区都ウルムチで、イスラム教徒のウイグル人青年グループが「新彊独立」を叫び、警察隊と衝突。その他にも何度も衝突と騒乱が起き、爆弾テロは、異なる民族の共存の難しさを物語っています。

◆新彊の民族運動の背景には、中央アジア諾国を拠点とする支援組織の存在があります。これが国境を越えた新彊でのウイグル族活動家を物心両面で支えています。

これらの国々は旧ソ連時代、社会主義体制下にありましたが、1980年代に入り、ソ連の締め付けが緩んだことで、中央アジアで活動を続けてきたウイグル族組織が一気に活発化、さらにソ連の崩壊で中央アジアや中東のイスラム教圏の民族主義が高揚、中央アジアで活動を続けてきた少数民族組織が活動を本格化させたといえます。

新彊での運動の活発化は、ソ連の解体という国外情勢の変化と外からの影響の浸透が挙げられ、同じトルコ系のカザフスタンやキルギスタンの民族運動に刺激されています。トルコのイスタンブールでは1998年、「全世界東トルキスタン解放組織連盟」が結成され、新彊ウイグル自治区の運動との連携を目標に掲げています。

◆中国の現行憲法は「信教の白由」を保障していますが、世界的な動きであるイスラム勢力の拡大が自国にも及んでいることを警戒。さらに宗教の無秩序な容認が国家分裂にもつながるとの懸念もあり、イスラム教を厳しい監督下に置いています。このことがイスラム教徒の反発を招き、摩擦要因になっている側面も見逃せません。

◆新彊では1949年の新中国成立前の一時期、「東トルキスタン共和国」を名乗る「国家」が存在した経緯があります。同共和国は1946年、ソ連の圧力の下、当時の中国国民党政府と和平を結んで解散しました。
この独自国家の再興こそが、新彊の分離独立運動の根源です。

◆中国当局は民族・宗教問題という火種を抱える新彊ウイグル自治区へのテコ入れ策として、地域格差解消を図るためインフラ整備を進めながら、分離独立など不穏な動きを徹底的に封じ込めるという作戦に出ています。
国内外の少数民族対策の意味合いも込められ、周辺諸国との関係強化を今後、さらに進める考えです。
中央政府が“アメとムチ"を使い分け続ける方針は今後も続きそうですが、人権問題としてアメリカなど西側諸国も動向に注目しています。
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by m-morio | 2007-06-23 12:36 | 中国のこと | Comments(0)
おことわり: 昨晩このサイトが不調でドタバタしました。今朝、開いてみましたら中途半端な日記がupしていて・・・少し手直ししました。

日曜日の夜、NHKのテレビで中国を取り上げた番組が2本ありました。

一つは、中国の「水危機」が深刻だというもの。もう一つは「環境汚染との戦い」を現地ルポしたものでした。
水泥棒を取り締まる様子や降雨ロケットを打ち上げて雨を降らす映像、雨不足・水不足による農家の嘆き、経済発展を優先するがために後回しにされている公害問題・環境問題はかなり深刻でした。

北京では来年のオリンピック開催に向けて急ピッチでその準備が進められています。
しかし、このためにとんでもない犠牲を払っている農民がいました。北京の水不足を補うために遠く離れた村のダムから北京に水を引いているのですが、そのために地元であるその村の農民がダムの水を一切使えないと言う信じられない施策がまかり通っているとのこと。
農民が村長に直談判するも中央政府の言うことだから我慢せよと言うばかりでラチがあかない。挙句の果てにはスイカを作るのに水が必要と嘆く農民に「スイカを作るを止めれば・・」と・・。
まさに、経済成長は「農村を犠牲にした都市の繁栄」と言われる見本のようでした。

北京では、水不足のみならずその質にも問題があるようです。
ある日本人の家庭を訪問した映像では、浄水器を通さない水はとても飲めないと・・・。臭いもきついらしい。台所は勿論、洗面所、風呂までも浄水器をつけなければ使えないのが現状だと言います。
水不足を補う対策の一つとして遠く「長江」から水を引こうとしているらしい・・。
この「長江」の水が危ない(汚染されていて・・という意味で)といわれているのにです。

現地「長江」の市場には天然の魚は皆無だという。全てが養殖によっているのだそうだ。汚染が酷くて(原則として)漁業禁止になっているとのこと。
不思議なことに「養殖」に使う水は大丈夫なのだろうか。水道の水すらそのまま飲めない状態だというのに。。。
それでも北京に長江から引っ張ってこようと言うのだろうか。
双方の番組は、事実を伝えているのでしょうが。。。

この二つの内容がかみ合わないのは何だろう!? 

 ◆「長江」の写真を貼り付けようとしましたが、未だ「表示不具合」が続いているようです
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by m-morio | 2007-06-12 18:35 | 中国のこと | Comments(0)
中国には「三農問題」が根強く残っています。

中国各地の人材市場は、春節(旧正月)休暇後の2月末から、職を求める農民や出稼ぎ労働者でごった返していた。農村の失業率は18%以上とされ、国家幹部は「就職難は今後、一層深刻化する」という。

北京、上海などの大都市と農村の格差は広がる一方だ。数千億円もの資本を持つ大富豪がいる一方、年収1万円にも満たない農民が約2000万人に達しています。
農村から都市へと流れ込んだ出稼ぎ労働者は約2億人に上るが、硬直化した戸籍制度のため、都市住民向けの住宅手当や公教育、医療保険は受けられません。

中国国内では報道されないようですが(報道規制が厳しく、党に不都合な情報は表面に出てこない)、香港メデイアによると年間8万件以上の暴動が起きていると言われています。

私有財産の不可侵を明記し、私有財産保護を法的に保証する「物件法」が採択される予定ですが、農村部では、わずかな補償金で農民の土地を強制収用するなどのトラブルが続出しているため、政府は「民衆の権益を保護するのが目的」と説明していますが、資本主義化を加速し、一層の格差拡大を招くとの見方もあります。

成長に取り残された三農(農業、農民、農村)問題対策に、昨年より約7900億円多い約5兆9540億円の予算を計上。農民の収入増や農村の基盤整備に引続き力を入れる考えを示しました。(温首相)

中国の都市と農村の所得には、3倍(6倍とも)以上の開きがある。
温家宝首相は政府活動報告で、出稼ぎ農民への貧困脱却措置の徹底を表明したが、零細、低収益の農業構造が変化しない限り、出稼ぎは止まりそうにありません。
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全人代の様子を雑駁に取り上げてみました。
新聞記事などを参考にしたものですからほんの一部にしか過ぎません。
もう少し時間をかけてそれぞれの事柄を調べてみるとまた異なった興味が湧いてくるのかもしれません。
まだまだ、環境問題、エネルギー問題、前述の物権法の問題、そしてあまり大きくは取り上げられない国防費の膨張問題など大なり小なり日本への係りも多い問題があるのでしょうが今回は本稿をもって区切りとしておきます。

「中国のこと」は今後も関心をもって見つめていきたいと思っています。
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by m-morio | 2007-03-29 15:32 | 中国のこと | Comments(0)
中国では、役人と闇社会の癒着による経済犯罪や賄賂・搾取が急増しています。これらに対して政治的な判断で裁判の迅速化や銃殺刑の公開など「みせしめ」的な実刑が実施されていますが、腐敗は後を絶たないというが現状です。

中央・地方政府の昨年の予算執行状況と今年の予算案に対する採決では、出席した代表2889人のうち、反対220票、棄権131票と、いずれも三けたを超えました。
異例の反対票の多さは、公費の無駄遣いや、非効率な行政コストに厳しい目が向けられていることを反映しています。

官僚腐敗の深刻さを示した最高人民法院(日本の最高裁)活動報告は、反対と棄権を合わせた批判票が486票(17%)、
最高人民検察院(日本の最高検察庁)活動報告記者会見で
政府職員は人民の公僕である以外、いかなる権力も持たないのだ」と力説、専横を極める役人を戒めていました。

全人代の開幕の挨拶で、温首相は、党・政府幹部の腐敗や職権乱用について、
われわれは国と人民に高い責任を負う」と戒め、政権を担う共産党への求心力低下を防ぐためにも腐敗撲滅を誓いました。
また、蔓延する官僚の汚職・腐敗を厳しく戒め、公務員をマスメディアや世論、国民の「監視下」に置くべき存在と位置づけしました。
さらに、「政府のあらゆる権力は人民から与えられ、人民に属し、人民のためにある」と民主主義を説いたリンカーンの演説を引用したような言葉を残しています。

一国家の首相が国会でこのような発言をしなければならないこと自体情けないことではないでしょうか。国民はこの演説をどんな気持ちで聞いたのでしょう。

どうやら、こうした風潮は一朝一夕に一掃されそうにもありません。
つい最近報道で、上海市トップの同市共産党委員会書記に任命された書記(前任者は汚職で逮捕)は、市幹部を集めた大会に出席し「腐敗との闘争は長い時間がかかる仕事で、たゆまず取り組まねばならない」と述べていることがそのことを象徴しているように思います。
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by m-morio | 2007-03-29 14:53 | 中国のこと | Comments(0)
全人代は3月の話題。 でもあと2日しかない。今月中に整理してしまわなくちゃ・・と思うのですが。。

中国では、国民の戸籍が出身地によって「農村戸籍」と「都市戸籍」に厳格に分けられています。もともとは農村人口が都市へ流入するのを防ぐという目的のための制度でした。

戸籍は公安部(警察)が管理し、その異動(変更)は厳しく制限されてきました。このため特別な場合(軍隊への入隊、大学進学など)を除いて農村出身者が都市で住むことは不可能です。

しかし、近年の経済発展に伴って都市部の人手不足を補充するという理由から、農村戸籍を持つ人々の移動が行われています。
かつては農閑期に限っての都市部への大量移動を「盲流」(もうりゅう)という表現で否定的にいわれていましたが(その後「民工潮」(みんこうちょう)といわれるようになりました)、改革・開放を推し進める過程において、安価な労働力の確保や農民の現金収入を助けるといった観点から、肯定的に捉えられるようになってきました。

とはいえこの戸籍制度は未だいろいろな問題を抱えた制度であることには変わりありません。
都市と農村の戸籍を厳格に区分した現行の戸籍制度を廃止し、都市、農村共通の戸籍法の制定を求める声が強まっています。
 中国の農村人口は約8億人(注)で、このうち約2億人が都市への出嫁ぎ者とされています。
1958年に制定された現行の戸籍制度では、出稼ぎ者が都市に定住しても農村戸籍は変わらず、都市の医療、義務教育、社会保障制度を受ける権利がない。結婚や就職などでも差別されているのだそうです。

(注)予断ですが、中国の統計は政府が発表するからと言って正しいと言うことにはならないようです。この農村人口一つにしても一説には人口の7割=9億人ともいわれ私の読んでいる新聞ですら、記事と社説で異なった数字を使っています。そもそも人口13億人と言われていますが、これとてあてにならないのです。例の無国籍の子供たちが数千万人に上るとさえいわれ、その実態が把握されていないのですから。

全人代で、「誤った戸籍制度が(出稼ぎ者などの)福利厚生や社会保障の権利を奪っている」と訴え、現行制度を廃止し、統一戸籍法の制定を求める意見書を提出し、賛同の声が相次いだと報道されました。

中国政府も「戸籍制度見直しに向け、研究を進めたい」(公安省)としています。

ただ、一方で、「福利厚生の充実した都市に農民が流れ込めば、都市は負担に耐えられない」との指摘もあり、今後の論議は曲折が予想されます。

ご参考までに
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by m-morio | 2007-03-29 09:06 | 中国のこと | Comments(0)