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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

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原子力発電事故・・・
被災地の様子・福島原発のその後・政治の動向、そしてエネルギーの行末に関する社説や提言などが新聞の紙面に載らない日はない。
一方、書店の店頭には「原発」に関する書籍が続々と登場している。
平積みになっているそれらの表題から推すと、全般的には「脱原発」の文字が目に付く。
「直ぐにとは言わないまでも、将来は縮小・廃炉」との世論が反映されているのかも・・・。
そんな中から一冊を購入してきた。「原発を終わらせる」(岩波新書)。
まだ目を通してはいない。中身の構成は、原発の危険性に警鐘を鳴らしてきた14名が、事故を検証し提案をしているようである。
著者一人で著したものも良いのだが、今は、多くの人の意見を聞いてみるのがベターな時期かと考えてこの本を選んでみた。
機会があれば、その内容にも触れてみたい。

エネルギー問題に関しては、未だ明確に成っていないこと、私が理解していないことが山ほどある。
・福島原発の事故の主要因は、津波なのか地震なのか
 政府の正式な見解は、未だ示されていない。
・津波対策が優先され、地震対策は後回しになっていないか
 原発では、高温を発する原子炉内の燃料を冷やすため、水を循環させている。
 福島では、津波によってすべての電源を失ったことによって、水の循環が停止した。これを受けて、泊原発では、
 標高31mの高台に移動発電機車を置いたとか・・。さらに、今後防潮堤も新たに造ることも計画されているらし
 い。
 一方、福島の事故のきっかけは津波だとされているため、地震対策に重点は置かれていないようである。
 地震の揺れで配管が壊れ、津波が来る前に原子炉内の水が失われ始めた可能性があるとの指摘があるのも
 事実。
 上記の高台の発電機にしても、地震で道路が寸断されてしまえば何の役にも立たなくなるのではないか・・・
 と素人は考える。
・脱原発に舵を切るのか
 これも政府の見解は未だ明確でない。
 経済界は速やかな脱原発には消極的なようだ。経済の停滞・雇用など影響が多いと・・・。

分からないこと・・・といえば
・原発のコストは安いのか?
 原子力発電に比較して、自然エネルギーが割高であるという。
 経済産業省の「エネルギー白書」(2010年版)によると、
 原子力発電コスト・・5~6円(1kw.あたり)液化天然ガス火力・・7~8円水力・・8~13円 風力・・49円
 だという。
 そもそもこの算出根拠が分からないので ”ああ そうですか” と頷くわけにはいかない。
 原発の廃炉には30年以上かかり、1基数百億円ともいわれる。
 核燃料のごみである「高レベル放射性廃棄物」を地中深く埋める事業には最低でも100年の歳月がかかるとの
 話も聞く。
 費用は兆円単位、生命に害を及ぼさなくなるのに数万年単位と言われる。
 そんな費用も想定したら、原子力発電は決してコストが安いものではないように”感じる”のだが・・・
 残念ながら、私には数字を駆使して解き明かす能力はない。
 あくまでも “感じ” に過ぎないのだが。
 今回の福島の事故を機に、原発施設の地震・津波対策が強化されると、一層の投資が要求される。
 
 膨らむ原発コストに対し、自然エネルギーのコストは着実に下がりそうだ。
 技術の向上や量産効果だ。
 将来の原発をどうするのか・・・政府の方針は明確でないが、民間業者は既に自然エネルギーに向けた行動を
 起こしている。
 ソフトバンクのような、でかい ことでなくても、地道な研究は進んでいる。
 自然エネルギーの不安定さを指摘する声も多い。経団連の会長すらそのようだ。
 この欠点は、ITの技術の活用で乗り越えることができる・・・かも知れない。

 太陽光、風力、地熱いずれをとっても難題を抱える。
 太陽光は、技術的には相当なレベルに達しているようだが、"安い"中国の技術は日本に匹敵するという。
 風力も、海中に風車を建設する構想などが検討されているが、漁業権とのかかわりが問題。
 地熱も、その資源の多くは開発が規制されている国立公園内に存するという。
 

・瑣末なことだが、北電の泊原発3号機は、定期検査終了直前の「調整運転」(試験運転)を4ヵ月も続けている。「調整運転」は、通常、およそ1ヵ月行われ、徐々に出力を上げ、フル稼働時点で、正常に作動しているかを最終チェックする流れだと聞いている。国の性能試験も2日程度で終了するという。
不思議なのは、この調整運転時のフル稼働により発電された電力は送電されている(電力供給している)とのこと。
実質的には“稼動”しているのだ。
にもかかわらず、検査が終わっていないから「認めない」という理屈が分からない。
実際は稼動しているが、検査が終了し、書類上のOKをもらったら「承認」・・・という机上の事務処理が終わっていないというだけのことで、実際は営業運転を行っているのである。
私の書いていること・・・・変ですか?

原発問題は、まだまだ紆余曲折があるだろう。
コストの高いものに変換したら「電気料金は上がるのだぞ」という脅しめいた発言も聞かれるが、そのときのための逃げ口上にしか聞こえない。
消費者も賢くならなければならないということか。

最後に、日経では19日から24日まで「エネルギーを問う・・第1部 危機脱出の針路」という連載を載せた。
右の図は、24日の紙面から借用した。f0020352_11151652.jpg
2030年に原子力の比率を50%まで高めるとしてきた日本の従来の計画は見直しが必至。
現状のバランスすら維持するのが難しい情勢だ。
(この図の解説は、24日付け紙面ご参照)
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by m-morio | 2011-07-25 11:27 | 市民カレッジ | Comments(0)
▼モンゴルで核処分場計画
 繰り返し触れたように、使用済み核燃料の問題は原発事業全体の最大の弱点といっても過言でないほど、その取り扱いに苦慮している。
「核のごみ」の最終処分に目処をつけない限り、進むべきか否か、また、原発輸出を進めたくても大きな障害が待ち受けている。
このことは、ただ日本に限ったことではない。世界の課題でもある。
そんなことを考えていたら、驚くべき(私にはそのように感じられたのだが・・・)記事が載った。

○使用済み核燃料などを貯蔵・処分する場所をモンゴルに建設するという構想があるのだという。 
日米とモンゴルの3者による合意文書の原案も明らかになった。
原発用のウラン燃料の供給や使用済み核燃料の処分を国際的枠組みで一括して行う構想らしい。
「核燃料サイクルの多国間版」である。
注)この構想は、「包括的燃料サービス(CFS)」と呼ばれている。

大筋は次のようなもの。

→モンゴルで産出するウランで核燃料を製造
→その燃料を新規原発導入国などに輸出
→導入国では、日米が提供した軽水炉で使用
→使用済み核燃料はモンゴルの処分場が引き取る

原発先進国は、その技術を新興国に売り込みたい。
しかし、新たに原発を導入しようとする国にとっての課題は同じ。
①ウラン燃料の調達・濃縮・加工 
②使用済み核燃料なと「核のごみ」の処分
である。

これらの課題を一括して解決しようというのが今回の構想だという。
米国、モンゴル、日本が水面下で検討してきたことが、先般表面化した。
日本では、民間企業が主導しているが、政府内には異論もあるという。
経済産業省は後押しし、外務省などが異論を唱えているらしい。

○国際的な動向としては
 ロシアは、原子炉輸出と使用済み核燃料の引き取りをセットで行う方式を進めていて、原発輸出大国のフランスは、ロシア式原発商法を検討しているという。
日米の企業は、使用済み核燃料は自分の国の処分すらおぼつかない状況で、とても輸出先のものまでは引き取ることは不可能である。
ロシアなどのライバルの動きは、日米の企業にとっては脅威なのだ。
このことは、本構想を推進しようとする背景ともいえる。

強い毒性を持つ「核のごみ」の処分は原発保有国にとって最も厄介な問題だ。
地中深く埋め、10万年単位ともいわれる気の遠くなる年月をかけて監視しなければならない。
                                                                    
モンゴルは、これまで原発とは無縁の暮らしてきたのではなかろうか。
この国の人々に、原発国の「核のごみ」を押しつけるという。   

現状の日本では、全く不可能な
「他国で発生した核のごみを自国に引き取る」というロシア式発想は、それなりの理屈が通るのだろうが、ウランを産出する国というだけでこの構想に巻き込むのはいかがなものか。
日本の原子力発電の技術を輸出できるのだから、モンゴルがいいといえば「よし」という問題でもないような気がする。

この構想には、まだまだクリアしなければならない難問があり、直ぐには実現しそうにもないのだが。。。。。
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by m-morio | 2011-07-23 15:28 | 市民カレッジ | Comments(0)
ここで、どうしても触れておかねば成らないのが 「もんじゅ」の行方である。

 福島の事故の後、いずれは ”もんじゅ” の文字が新聞紙上で取り沙汰されるだろうとは予測された。

文部科学大臣の発言もあいまいで、"もんじゅ"の「開発中止」と受け止められる発言をし、同じ日に釈明文書を出す始末である。
「全体的なエネルギー政策の中で”もんじゅ”についても結論がおのずと出てくるとの考え」・・・釈明文書。

“もんじゅ”について復習しておく。
福井県敦賀市に日本原子力研究開発機構(原子力機構)の 高速増殖炉「もんじゅ」がある。
燃料のプルトニウムを再生産し、核燃料サイクルのけん引役として期待されていた。(まだ、期待されているのかも・・この辺があいまい)
しかし、1995年12月のナトリウム漏れ火災事故で研究開発が大幅に遅れ、再始動後もトラブル続き。
プルトニウムを利用するプルサーマル発電は、北電泊原発3号機でも計画されているが、サイクルが円滑に回りだす気配は見えない。
2010年5月、14年5ヵ月ぶりに試運転を再開した。しかし、8月に原子炉容器内で燃料交換に使う高さ12m、重さ3.3tの円筒状の装置が落下。    またまた足踏みしている。

資料によると
「高速増殖炉」というのは、プルトニウムを燃料に発電しながら、通常の原発では燃えにくいウラン238に高速で中性子を当てプルトニウムに変える原子炉。   消費した以上の燃料を生み出せるとされる。

通常の原発は炉の冷却に水を使うが、高速増殖炉は液体ナトリウムを使う。

今、福島第1原発では、水による冷却ですら悪戦苦闘の状況である。
液体ナトリウムは空気に触れると発火し、水と激しく反応する。噴き出せば放射能漏れにつながるのは同じだが、ナトリウム液自体が爆発する恐れがある。温度管理も難しい厄介なナトリウム液の扱いが最大の難点。
ナトリウム液の扱いの難しさなどで、多くの国(米、仏など)は計画を断念したが、未だ研究中なのが日本とロシアといわれる。

こんな“もんじゅ”は、建設費や運営費など、これまでに9000億円を超える費用がかかっているといわれている。そのため、技術的、経済的に懐疑的な見方も強い。

“もんじゆ”の事故後、
核燃料サイクルの中核と位置づけた高速増殖炉の開発は停滞。

国や電力業界はプルトニウム利用の中心を、当面、普通の原発でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマルに移した。
当然、高速増殖炉に比べて、その効率ははるかに低い。

◇試験運転段階の青森県六ヶ所村の使用済み燃料再処理工場をそのまま動かし、プルサーマルを続けるのか。

◇核燃料サイクルの夢を追わずに、原発以外にシフトしていくのか。

いろいろな矛盾を抱えながら難題を突きつけられている。
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by m-morio | 2011-07-22 10:32 | 市民カレッジ | Comments(0)
▼「核のごみ」問題
○原発はウランという放射性物質を核分裂させた時に出るエネルギーで動かしていて、その“燃えかす”は「使用済み核燃料」と呼ばれている。
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日本では“燃えかす”の中からウランやプルトニウムを取り出して再び原発を動かす燃料にする「核燃料サイクル」を進めてきたが、再利用できない高レベル放射性物質が「核のごみ」として残ってしまう。
国や電力会社は、青森県六ヶ所村の再処理工場で化学処理してプルトニウムを抽出する方針で、六ヶ所村の再処理工場の完工は来年10月を予定しているが・・・・・・・。
稼動は、延期に延期を重ねて既に18回になる。この間、建設には2兆2000億円もの巨費を投じているという。
技術的なトラブルが相次ぎ、いまだ試験運転の段階で止まり、再開のめどすら立っていない。
設備は既に完成しているが、最終段階の試験運転でつまずいている。
日本と同様に核燃料サイクルを進めるフランスでは、解決済みの技術なのだそうだ。再三のトラブルは、日本の原子力技術の国際評価を下げた。
これまで同工場の燃料プールには、各原発の使用済み核燃料を先行して受け入れてきたが、貯蔵量は容量の9割を超えており、新たな受け入れの余裕はほとんどない。

○国内ではこれらの「核のごみ」を、ガラスと溶かし合わせて、高さ130センチ、重さ500キロのガラス棒に加工していて、青森県六ヶ所村と茨城県東海村にある使用済み核燃料の再処理工場に貯蔵されている。
国の試算では、2021年ごろには、その数約4万本に達するとしている。
注)茨城県東海村の旧動燃東海事業所にある再処理工場は、実験的な工場のため、規模が小さく年間200t程度の処理能力しかない。六ヶ所村の工場は年間800tの処理を見込んでいる。

○では、その4万本を最終的にどうするのか
「高レベル放射性廃棄物最終処理場」を作り、ステンレス製の容器に密封して300m以上の地下に埋めることになっている。この棒は、強い放射線を発していて、元の天然ウランと同じ放射能レベルに下がるまでには数万年かかるといわれている。
しかし、その処理場がない。
日本では勿論のこと、世界のどこにも作られていない。
日本では、経済産業省の認可法人が、立地する自治体を公募しているが手を上げた自治体はない。(一度は応募するも、住民の反発で撤回したのが高知県東洋町)

候補地選びは難航している。

○このままでは「核のごみ」はいつか溢れてしまう。
日本にはいま54基の原発がある。
仮に脱原発に政策を転換したとしても、直ぐには停止できないであろう。
「核のごみ」は増え続ける。
あと3年程度でプールが満杯になる原発もあるという。

プールが満杯になれば、原子炉内の燃料を取り出して交換できなくなり、運転が続けられなくなる。
最近では、使用済み核燃料を、放射線を遮る鋼鉄製の容器に入れて地上で保管しておく「中間貯蔵施設」の計画が浮上している。
東電と日本原電が共同で、青森県むつ市で建設に着工したのが2010年8月。
両社の原発で抱えきれない使用済み核燃料計5千トンを貯蔵する計画だが、工事は震災後止まったまま。
もちろん1ヵ所では足らない。
全国に54ある原発からは年間1000tの使用済み燃料が出る。仮に再処理工場が本格稼動しても800tしか処理できず、年間200tずつたまり続ける計算になり、将来的には同じような施設が3ヵ所必要だといわれている。
他の電力会社も10年以上も前から貯蔵施設の立地を進めているが、反対運動もあって目処が立っていない。
最大の問題は、処分場が決まっていないため、そのままなし崩し的に処分場になってしまうのではないかという不安があること。
国や電力会社は、六ヶ所村に続く二つ目の再処理工場を作る方針で、むつ市の施設でも50年貯蔵したら、そこに運び出すとしているのだが、いつどこに建設するのか詳しい検討は行われていない。
貯蔵施設立地を進めるのであれば、国や電力会社は先送りしてきた使用済み核燃料の処分方法について、早急に検討を始めることが求められてきた。
しかし、福島の事故である。恐らく、検討は宙に浮いているのだろう。

核燃料の後始末を先送りしておいて、脱原発とか維持・推進とか叫ばれているのが現状である。


▼「使用済み核燃料プール」にも触れておかねばならない。
これは、原子炉で使い終わったウラン燃料を冷却するプールである。
前述のように、使用済み燃料は核分裂反応を終えても熱を放出し続けるため、核燃料再処理施設へ運び出すまでの間、循環させた水で冷やし続ける。
猛毒のプルトニウムのほか、強い放射線を出す核分裂生成物を含み、厳重な管理が必要である。

プールは原子炉建屋内にあり、外部から遮るものは鉄筋コンクリート製の壁ぐらいしかない。
圧力容器や格納容器に包まれた核燃料と違って、ひとたび壊れれば、放射性物質の飛散の恐れが高い。
そのリスクも問題視され、対策が課題になっている。

余談になるが、道内の泊原発では、1~2号機のプールがほぼ満杯に近くなっていると聞く。
使用済み核燃料は原子炉ごとに保管することになっているらしい。
3号機のほうはまだ新しいので余裕があるとのことで、1,2号機からでる使用済み核燃料を3号機のプールで保管したいとの申請を国に提出したとの小さな記事が載っていた。

身近でも、そんな切羽詰った問題が進行しているのである。
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by m-morio | 2011-07-21 14:27 | 市民カレッジ | Comments(0)
「原発10数基増設へ」
エネルギー基本計画案 ~温暖化対策重視~
経済産業省が策定中の2030年までのエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の原案が明らかになった。
二酸化炭素の排出量を削減するために、10数基の原子力発電所を増設することや稼働率のアップを明記した。
(以下、省略) 
 
10.03.21の道新の記事である。

それから1年数ヵ月後の11.07.13朝日新聞
菅直人首相は、首相官邸で記者会見し、原子力を含むエネルギー政策について                     
「原発に依存しない社会をめざすべきだと考えるに至った。 計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現していく」
と語り、「脱原発」社会を目指す考えを表明した。                                  
実現のための政治プロセスや原発削減の数値目標、電力需給の見通しなどは具体的に示さなかった。

だが、党内には挙党体制で進めるという雰囲気は全く感じられない。
「2日前の打ち合わせと内容が大きく違っている」と呆れ顔の国家戦略相の玄葉光一郎氏。
枝野官房長官には「遠い先の夢」と言わしめた。
そもそも、退陣を表明した首相が、政策の大転換につながる見解を唐突に表明する・・・・・という異様な事態なのだが、菅首相にその自覚がないようだ。
具体的な施策を示すこともなく、口先だけの方針を表明しても「退陣」する首相の言うことにどれほど説得力があるというのだろう。

・・・と書いて手を休めていたら、
なんと、菅首相は、前言について
「個人の気持ちを語ったものにすぎない」と発言。
まったく・・・なにをやっているのだろう。

「原子力発電」については、このblogでも触れたことがある。
2010.03.21 原子力発電・・・その1 
2010.03.23 原子力発電・・・その2  
このときは、あれこれと迷走しながら、
「むやみに「原発反対」だけでは問題の解決にはならない。過去に原発事故はあった。マイナス面ばかりでなくプラス面もあることを考えなければならない」・・・・と結んだ。

言い訳がましいが
冒頭の記事にあるように経済産業省が30年までに原発を10数基増設するという方針を出した時から、少なからぬ懸念を抱いていた。
原発の建設から、廃棄物の処理にいたるまでの道筋が整っていなことに。。。。

今、福島で原発事故が起きてしまった。f0020352_1192195.jpg
そこで、少し、原子力発電の課題や問題点を考えてみる。

▼制御できるのか
 そもそも、原発は、原子炉から発生する熱を利用して発電している。
火力発電は、燃料を燃やすことによって熱を得、水を蒸発させ、圧力の高いスチームを作り、そのスチームでタービンを回し、発電させる。
原発は、火力発電の熱源を単に原子炉に置き換えたに過ぎない。

その原子炉内で事故が起こった。福島第1原発である。
原発には、地震の際に事故が起きないような仕組みが備えられている。
福島でも、原子炉内の核分裂反応をとめる仕組みは直ぐに作動し、運転は停止した。
原子炉は高温・高圧にならないように“水を循環”させて冷やし続けなければならない。
今回も、非常用ディーゼル発電機が決められたとおり自動的に起動し、冷やす仕組みは働いた。
しかし、地震の1時間後、「津波」で発電機は故障してしまった。
すべての電源を失ったため、炉内の水は蒸発を続け、量が減って燃料棒が露出。燃料棒は極度に高温となり、被膜金属が水蒸気と反応して水素が発生し、爆発につながった。さらに、温度が上がり燃料棒の一部が溶けた。

皮肉なことに、電気を送る会社の設備が電源を失ってシステムを制御できず、熱などで原子炉が密閉状態を維持できなくなったのである。だから放射性物質が漏れ続けた。

・・・・これが、福島第1原発事故の発端であった。
すべては「冷却不能」から始まったのである。

その後、4ヶ月を経た今日まで、世界の英知を集めた対策が講じられてきたにも関わらず終息の目処は見えてこない。
ここに一つの課題がある。
世界中のあらゆる英知を集めても解決に時間がかかり、放射能の恐怖に晒される・・・ということが起こりうる。
即ち、人間が制御できない「原発」という怪物に依存する体制を維持していくことの是非である。
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by m-morio | 2011-07-18 11:14 | 市民カレッジ | Comments(0)
2011春・夏の現代史講座が始まりました。
4回の講座の 統一テーマは 「中国は多民族国家か?」 です。

「?」が付いています。

その意味は・・・・追々分かってくることでしょう。

初回は、その導入として、そして比較対照の意味合いを込めて、ソ連・ロシア と オスマン帝国 の民族 が 
取り上げられました。

▼ソ連は、17世紀後半から18世紀にかけて ピョートル大帝がロシア帝国を統治しました。
当時のロシア人には、ソ連は「後進国家」であるという意識が根付いていたようです。
そのソ連邦が1991年に解体して、多くの国・民族が次々と独立していくことによって、多民族国家はロシア人の民族国家へと変貌しました。
しかし、民族問題は、尾をひいています。「北カフカス」地方の小民族のイスラム地域です。
小民族がために独立できなかったのでしょうか・・・。
イスラム教徒が大半を占めるチェチェン共和国はこの地方では突出して過激な行動で知られています。
このチェチェンについては、既に本稿で触れましたので割愛します。
興味がありましたら以下をご覧ください。
06.07.01 チェチェン
06.11.01 チェチェン 再び
10.04.07 また、テロが・

▼一方、オスマン帝国ですが、
国名の由来は、建国者の一族がトルコ人のオスマン族だったところにあるようです。
トルコ人はもともとモンゴル高原から中央アジアにかけての草原地帯で遊牧生活をしていました。
これが、長い時間をかけて、西に移動していきます。はじめは、イスラムの国々の軍人として重宝されました。
遊牧民族ですから、騎馬兵として活躍の場を得ていたのです。
やがて、部族ごとにイスラムに改宗して西に移動します。
詳細な歴史は省略しますが、こんな経緯を経ながら、国を建て、ヨーロッパに向かって領土を拡大し、一大帝国を築きました。
トルコ人は、文化面などでの先進地域に参入していくのですが、常に“後発民族”との意識を持っていました。
したがって、軍事面においては卓越した能力を発揮しても、行政や文化面では他民族の優位性を謙虚に認識しました。
よって、帝国存立の不可欠な要素として他民族の存在は無視できないものがありました。

▼そんな前置きから、本題の“中国と民族問題”に進みますが、その前に「国旗」のお話を・・・。

講師はときどき国旗を話題にします。
国旗の歴史やそのデザインの意味するところはなかなか興味深いものがあります。

今回は、旧ソ連、ロシア、中国の国旗です。

配布された資料から引用します。

まず、旧ソ連邦の国旗。f0020352_11272593.jpg
社会主義のシンボル「赤旗」の代名詞として知られた旧ソ連の国旗は、赤地に染め抜かれた「ハンマー」は工業労働者、「鎌」は農民、「金の星」は5大陸の労働者の団結を象徴し、赤地は、革命を表すと言われている。





1991年のソ連邦解体によって、74年振りに復活したのがこの白・青・赤三色の国旗。f0020352_11283368.jpg
元来は、ピョートル大帝がオランダを訪問した際、その横三色旗にならって、配色を変えて考案したもの。







ちなみに、オランダの国旗f0020352_11325494.gif





そして、中国の国旗。f0020352_11285525.gif
旧ソ連の国旗に似ています。
通称「五星紅旗」(ごせいこうき)は、旧ソ連邦の国旗を手本にしたと考えられています。
最大の1つ星は、中国共産党を示し、これを囲む4つの小さな星は労働者、農民、知識人、愛国的資本家の4種の人民階級を表すものといわれてきましたが、最近では、5つの星は、中国共産党の指導下にある全国民の団結を意味するという、抽象的な解釈をとるようになっているらしい。

以上 プロローグ です。
中国は、民族問題に限らずいろいろな意味で話題の多い国。
今月の講義を楽しみにしています。
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by m-morio | 2011-07-08 11:38 | 市民カレッジ | Comments(0)