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はじめのいっぽ

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日々雑感を記録します

受け売り 現代史 原子力発電・・・その7

原子力発電事故・・・
被災地の様子・福島原発のその後・政治の動向、そしてエネルギーの行末に関する社説や提言などが新聞の紙面に載らない日はない。
一方、書店の店頭には「原発」に関する書籍が続々と登場している。
平積みになっているそれらの表題から推すと、全般的には「脱原発」の文字が目に付く。
「直ぐにとは言わないまでも、将来は縮小・廃炉」との世論が反映されているのかも・・・。
そんな中から一冊を購入してきた。「原発を終わらせる」(岩波新書)。
まだ目を通してはいない。中身の構成は、原発の危険性に警鐘を鳴らしてきた14名が、事故を検証し提案をしているようである。
著者一人で著したものも良いのだが、今は、多くの人の意見を聞いてみるのがベターな時期かと考えてこの本を選んでみた。
機会があれば、その内容にも触れてみたい。

エネルギー問題に関しては、未だ明確に成っていないこと、私が理解していないことが山ほどある。
・福島原発の事故の主要因は、津波なのか地震なのか
 政府の正式な見解は、未だ示されていない。
・津波対策が優先され、地震対策は後回しになっていないか
 原発では、高温を発する原子炉内の燃料を冷やすため、水を循環させている。
 福島では、津波によってすべての電源を失ったことによって、水の循環が停止した。これを受けて、泊原発では、
 標高31mの高台に移動発電機車を置いたとか・・。さらに、今後防潮堤も新たに造ることも計画されているらし
 い。
 一方、福島の事故のきっかけは津波だとされているため、地震対策に重点は置かれていないようである。
 地震の揺れで配管が壊れ、津波が来る前に原子炉内の水が失われ始めた可能性があるとの指摘があるのも
 事実。
 上記の高台の発電機にしても、地震で道路が寸断されてしまえば何の役にも立たなくなるのではないか・・・
 と素人は考える。
・脱原発に舵を切るのか
 これも政府の見解は未だ明確でない。
 経済界は速やかな脱原発には消極的なようだ。経済の停滞・雇用など影響が多いと・・・。

分からないこと・・・といえば
・原発のコストは安いのか?
 原子力発電に比較して、自然エネルギーが割高であるという。
 経済産業省の「エネルギー白書」(2010年版)によると、
 原子力発電コスト・・5~6円(1kw.あたり)液化天然ガス火力・・7~8円水力・・8~13円 風力・・49円
 だという。
 そもそもこの算出根拠が分からないので ”ああ そうですか” と頷くわけにはいかない。
 原発の廃炉には30年以上かかり、1基数百億円ともいわれる。
 核燃料のごみである「高レベル放射性廃棄物」を地中深く埋める事業には最低でも100年の歳月がかかるとの
 話も聞く。
 費用は兆円単位、生命に害を及ぼさなくなるのに数万年単位と言われる。
 そんな費用も想定したら、原子力発電は決してコストが安いものではないように”感じる”のだが・・・
 残念ながら、私には数字を駆使して解き明かす能力はない。
 あくまでも “感じ” に過ぎないのだが。
 今回の福島の事故を機に、原発施設の地震・津波対策が強化されると、一層の投資が要求される。
 
 膨らむ原発コストに対し、自然エネルギーのコストは着実に下がりそうだ。
 技術の向上や量産効果だ。
 将来の原発をどうするのか・・・政府の方針は明確でないが、民間業者は既に自然エネルギーに向けた行動を
 起こしている。
 ソフトバンクのような、でかい ことでなくても、地道な研究は進んでいる。
 自然エネルギーの不安定さを指摘する声も多い。経団連の会長すらそのようだ。
 この欠点は、ITの技術の活用で乗り越えることができる・・・かも知れない。

 太陽光、風力、地熱いずれをとっても難題を抱える。
 太陽光は、技術的には相当なレベルに達しているようだが、"安い"中国の技術は日本に匹敵するという。
 風力も、海中に風車を建設する構想などが検討されているが、漁業権とのかかわりが問題。
 地熱も、その資源の多くは開発が規制されている国立公園内に存するという。
 

・瑣末なことだが、北電の泊原発3号機は、定期検査終了直前の「調整運転」(試験運転)を4ヵ月も続けている。「調整運転」は、通常、およそ1ヵ月行われ、徐々に出力を上げ、フル稼働時点で、正常に作動しているかを最終チェックする流れだと聞いている。国の性能試験も2日程度で終了するという。
不思議なのは、この調整運転時のフル稼働により発電された電力は送電されている(電力供給している)とのこと。
実質的には“稼動”しているのだ。
にもかかわらず、検査が終わっていないから「認めない」という理屈が分からない。
実際は稼動しているが、検査が終了し、書類上のOKをもらったら「承認」・・・という机上の事務処理が終わっていないというだけのことで、実際は営業運転を行っているのである。
私の書いていること・・・・変ですか?

原発問題は、まだまだ紆余曲折があるだろう。
コストの高いものに変換したら「電気料金は上がるのだぞ」という脅しめいた発言も聞かれるが、そのときのための逃げ口上にしか聞こえない。
消費者も賢くならなければならないということか。

最後に、日経では19日から24日まで「エネルギーを問う・・第1部 危機脱出の針路」という連載を載せた。
右の図は、24日の紙面から借用した。受け売り  現代史 原子力発電・・・その7_f0020352_11151652.jpg
2030年に原子力の比率を50%まで高めるとしてきた日本の従来の計画は見直しが必至。
現状のバランスすら維持するのが難しい情勢だ。
(この図の解説は、24日付け紙面ご参照)
by m-morio | 2011-07-25 11:27 | 市民カレッジ

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